イスラエルの攻撃により破壊された学校=パレスチナ自治区ガザ地区中部デルバラーで2024年7月27日、ロイター

 パレスチナ自治区ガザ地区の保健当局は27日、中部デルバラーの野戦病院にイスラエル軍の空爆があり、少なくとも30人が死亡したと発表した。野戦病院は避難民が身を寄せる学校の施設内に設置されていた。

 中東の衛星テレビ「アルジャジーラ」によると、デルバラーの大規模病院「アルアクサ殉教者病院」には多くの負傷者が運び込まれている。イスラエル軍が学校や病院への空爆を繰り返していることに国際社会の批判が高まっているが、軍はイスラム組織ハマスが作戦の指揮所として使用していたと主張している。

 イスラエル軍はガザ地区南部ハンユニスでも攻撃を強めており、27日には退避要求地域を拡大した。住民の避難先に指定した「人道地区」も含まれる。軍はハンユニスの南方からロケット弾を発射しているとハマスを非難したが、度重なる退避要求により住民の生活環境は悪化している。

 ガザ保健当局は27日、昨年10月の戦闘開始以降、ガザ側の死者は3万9258人になったと発表した。

 国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)は26日、ガザ住民の9割が戦闘により避難生活を強いられていると指摘。多くの人は破壊された建物や砂浜やゴミが積み重なるエリアにテントを張ることを余儀なくされ、「人々は行き場を失っている」とした。【エルサレム松岡大地】

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