南シナ海の領有権をめぐり対立を深める中国とフィリピンの外相が会談し、緊張緩和に向けた暫定的な合意を履行する認識で一致しましたが、双方の立場の溝も改めて浮き彫りとなりました。

中国の王毅外相とフィリピンのマナロ外相は26日、ASEAN関連の外相会議に合わせ、個別に会談しました。

南シナ海の領有権を争う両国は、フィリピン軍の駐留拠点への補給活動などをめぐり衝突を繰り返していて、今月、対立の激化を防ぐための暫定的な取り決めに合意していました。会談後に取材に応じた王毅外相は「両国間には緊張緩和に向けた暫定的取り決めが成立している」と改めて強調した上で、会談の成果を次のようにアピールしました。

中国 王毅外相
「フィリピンとの(緊張)関係は緩和された。二度と繰り返してはいけない。きょうの会談はうまくいったはずだ」

ただ、中国政府がフィリピン側の事前通知などを条件に補給活動を認めると発表したことについて、フィリピンのマナロ外相は…

フィリピン マナロ外相
「事前通知のことは合意に含まれていません。なぜなのかは分からない」

両外相は、暫定合意を履行する認識では一致したものの、互いに見解の相違は残っており、事態の沈静化につながるのかは不透明な状況です。

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。