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いよいよパリオリンピックが、現地時間の26日に開幕します。

■“芸術の都”ならではの開会式 選手1万人以上が船で登場

期間は現地時間7月26日から8月11日まで。
会場は、エッフェル塔スタジアム、ベルサイユ宮殿、コンコルド広場などで、32競技329種目が行われます。
パリでのオリンピックは、100年ぶり3度目の開催です。

パリ五輪の概要 この記事の写真は21枚

パリオリンピックの目玉の1つは、スタジアム外での開会式です。

セーヌ川で、全長6キロの入場パレードが行われます。
スタートすると、5年前の火災から再公開を間近に控える『(1)ノートルダム大聖堂』です。 そして、世界三大美術館の1つ『(2)ルーブル美術館』へ。 『(3)コンコルド広場』は、ルイ16世やマリー・アントワネットの処刑が行われた広場で、ブレイキンなど都市型スポーツの会場です。 1900年のパリ万博の会場『(4)グラン・パレ』では、フェンシングなどが行われます。
こうした所を通って、『(5)エッフェル塔』前にある式典会場『(6)トロカデロ広場』に向かいます。

パリ五輪開会式

参加人数です。
選手は、総勢1万人以上が94艇の船で登場します。
観客は約32万人で、リオオリンピックの開会式の約4倍、各国の首脳は約120人です。

参加人数

“芸術の都”ならではの演出も用意されています。
パレードのルート上にある、すべての橋にダンサーを配置。
音楽やダンスがあらゆる橋や川岸を彩り、選手たちを迎えます。

開会式の演出

パリ支局の神志那支局長が、現地で聞いたウワサです。

(1)聖火ランナーの最終走者は、元サッカーフランス代表のジダン氏ではないか。
(2)開会式には、セリーヌ・ディオンレディー・ガガらが登場するのではないか。
(3)エッフェル塔にワイヤーがつながれているのは、何かの演出ではないか。 開会式に関する現地のウワサ

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■大丈夫?セーヌ川の汚染問題 猛暑でもエアコンなしの選手村

■大丈夫?セーヌ川の汚染問題 猛暑でもエアコンなしの選手村

パリオリンピックの競技会場になっている、セーヌ川の環境問題です。

セーヌ川では、トライアスロンや、10キロのマラソンスイミングが行われます。 セーヌ川は、1923年、家庭からの排水などで水質が悪化したことから、101年間、遊泳禁止となっています。

セーヌ川で行われる競技種目

そこで今回、水質改善に約2400億円を投じました。
17日には、パリのイダルゴ市長がセーヌ川に入って50メートル泳ぎ、水質改善をアピールしました。

イダルゴ市長は、
「水は透き通っていて、とても気持ちよく、泥の味はしなかった」と話しました。 セーヌ川 水質改善に約2400億円

東京オリンピックでも水質の問題はありました。トライアスロンの会場は、お台場でした。
水質基準は大腸菌数が100ミリリットルあたり250以下です。
オリンピック前2倍以上あった数値を、3重の水中スクリーンなどを使い一時的に基準値をクリアし、開催されました。
セーヌ川は、7月11〜16日まで、900前後で推移しています。
ちなみに、大阪の道頓堀川は、2022年度の水質調査で、平均240。
セーヌ川の汚染は、道頓堀川の約4倍で、雨が降った翌日は3000近くになるということです。

東京とパリ五輪会場 水質問題

そして、選手村の部屋です。
エアコンが設置されておらず、扇風機が1台あるだけということです。
大会組織委員会は、床下のパイプに地下水を流して冷却し、室温を外気より6〜10℃下げられるとして、環境に配慮したエコなオリンピックをアピールしています。

選手村の部屋

ただ、近年は猛暑続きです。
パリは、2019年と2022年の7月に、最高気温40℃を超えました。
フランス全体では、2023年、猛暑で約5000人が死亡しています。
日本、アメリカ、カナダ、イタリアなどは、簡易エアコンを独自調達しています。
約2500台の移動式エアコンの注文が、組織委員会を通じてされているということです。

猛暑続きのパリ 各国の対策は? バスケットボール女子日本代表の馬瓜エブリン選手が、
22日に選手村に入ったことをSNSで報告しました。
「みんなが心配していたエアコンありまーす!ちゃんとありまーす!」

小型の移動式エアコンが置かれ、自分でセッティングするようになっていたそうです。

エブリン選手によると、
「陽が出るとめちゃくちゃ暑い。寒暖差が大変」ということです。

パリの予想気温でも、寒暖差が大きくなっています。
28日は寒暖差14℃、29日と30日が寒暖差15℃です。

選手村のリールに到着 バスケの馬瓜エブリン選手

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■史上初 スタジアム外の開会式は厳戒態勢 スナイパーが監視も

■史上初 スタジアム外の開会式は厳戒態勢 スナイパーが監視も

スタジアム外で行われる、パリオリンピックの開会式の警備態勢です。
セーヌ川周辺は、開会式当日は約8万人で警備。数千台のAI搭載監視カメラも活用します。

セーヌ川周辺は厳戒態勢

開会式エリアに入る際は、QRコード付きの通行許可証を事前に取得し、警察官らに提示します。

パリ市民です。
「『入れない』と警察官に止められた。少なくともパリに住んでいる人は、不便な生活を余儀なくされている」 開会式エリアに入る際は

オリンピックには、過去、“暗い歴史”があります。
1972年、ミュンヘンオリンピック開催中に、イスラエル選手団がパレスチナのゲリラ集団に襲われ、11人が死亡。
1996年のアトランタオリンピック開催中には、屋外コンサート会場でパイプ爆弾による爆破事件が発生し、2人が死亡しました。

オリンピック開催中に起きた事件

パリもテロの標的になりました。
2015年、パリ同時多発テロで、130人が死亡。

そして、2024年の5月には、パリオリンピック期間中にサッカー会場でのテロを計画した疑いで、チェチェン出身の18歳の男が逮捕されています。

過去にはパリもテロの標的に

開会式での懸念は、『川沿いに密集する建物』がテロリストに使われる可能性です。
船までおよそ50メートルもない場所に、窓が80以上ある建物もあるため、全ての窓をスナイパーが監視します。

開会式での懸念

今のパリの状況です。
どこへ行くにもひと苦労です。
パリ中心部の多くの道が混雑していて、セーヌ川を渡れる橋も限定されているため、常に渋滞しています。
例えば、パリ支局からエッフェル塔までは、通常タクシーで15分だそうですが、現在は約60分かかっています。

しかも、パリ支局の神志那支局長によると、
「エッフェル塔の目の前までは行けず、徒歩15分くらいの場所でタクシーを降ろされる」ということです。 パリ市内の交通事情

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■住民困惑 閑散と盛況 地下鉄運賃は2倍に

■住民困惑 閑散と盛況 地下鉄運賃は2倍に

パリの市民生活への影響です。

ノートルダム大聖堂のあるシテ島は、島全体がテロ警戒区域になっていて、地元住民などQRコードを取得した人しか島に入れず、立ち入りが制限されています。

ノートルダム大聖堂・シテ島は立ち入り制限 この影響で、シテ島内にある飲食店のカフェの店員は、
「5年前にノートルダム大聖堂が焼失し、商売あがったりだった。それからコロナ禍があり、そして今度はオリンピック。観光客がいっぱい来ると思っていたのに、誰もいない状況」と話しています。 シテ島内の飲食店

一方、普段は人通りが少ないという、エッフェル塔への迂回路“ドセ通り”は、セーヌ川を渡れない観光客が 集まり、露店商も盛況です。
飲食店は普段の2倍の売上で、オリンピック特需に湧いています。

普段は人通り少ない通りは

地下鉄の運賃も2倍です。
オリンピック期間中、厳しい交通規制のため、移動に欠かせない地下鉄ですが、初乗り2ユーロ約340円が、4ユーロ約680円に、約2倍に値上げされました。

地下鉄の運賃は2倍に

(「羽鳥慎一モーニングショー」2024年7月25日放送分より)

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