(写真はイメージです) Scott Patrick Sanders-Shutterstock
<「あわや」の事故に専門家の見解は?>
米沿岸警備隊によれば、ニューハンプシャー州の沖で水面に現れたクジラがボートに突っ込んで転覆させる事故が発生したが、乗っていた2人の釣り人は無事だったという。
【動画】巨大クジラが船にダイブし、転覆させる恐怖の瞬間...海に投げ出される人の姿も
事故の瞬間の映像には、ボストンから100キロ近く北にあるオディオーン・ポイント州立公園付近で、2人の男性が海に落下する様子が映っている。
釣り人のライランド・ケニーは地元テレビ局WMUR-TVの取材に対し、すでにクジラを発見しており、距離を置いていたと説明したうえで、恐怖の瞬間を振り返った。「クジラは潜って何分か姿を消していましたが、突然船尾に現れたんです」
沿岸警備隊は、全長約7メートルのセンターコンソール艇(船の真ん中に運転席があるボート)がクジラの突撃を受けて転覆した、というメーデー呼び出しを受けて迅速に対応した。
沿岸警備隊はX(旧ツイッター)に「ボートが転覆して乗船者が投げ出された」と投稿。緊急海上安全情報が出され、沿岸警備隊ポーツマス港基地から救助隊が動員された。
近くでボートに乗っていたワイアットとコリンのイェーガー兄弟が釣り人たちを救助した。
ワイアット・イェーガーはWMUR-TVの取材に対し、「クジラが浮き上がってくるのを見て、『ああ、ボートにぶつかる』と思いました。その直後にボートが反転し始めました」と振り返っている。コリンはその様子を携帯電話で撮影した。
ケニーはシーコースト・オンラインの取材に対し、クジラがボートに衝突したとき、一緒にいたグレッグ・パケットと共に「闘争・逃走反応」に入ったと話している。
「何かが割れるような大きな音が聞こえました」とケニーは語り、「その瞬間、船首が持ち上がり、私は左側に行きました。(ボートが)ひっくり返りそうになっていたので、私はクジラとボートを避けようと水平方向にジャンプしたんです」と説明した。
クジラの頭がエンジンに突っ込むのを見た、とパケットは話している。「船尾全体が水につかるのを見て、『まずい。沈むぞ。沈んでしまう』と思いました」
クジラにけがはないようで、沿岸研究センター海洋生物ホットラインと米海洋大気庁(NOAA)に報告された。
ニューハンプシャー大学ショールズ海洋研究所のサラ・モリスは、この動画を分析し、クジラが突進採餌をしていた可能性を指摘している。
「動画を注意深く見るとクジラが口を開けているのが分かります」とモリスは説明する。「突進採餌をしていて、実際に魚を捕まえようとしているように見えます」
転覆したフィッシングボートはその後、引き揚げられた。今回の事故で負傷者は報告されていない。
(翻訳:ガリレオ)
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