北朝鮮の国旗=ゲッティ

 北朝鮮国営の朝鮮中央通信は23日、米大統領選の共和党候補のドナルド・トランプ前大統領(78)が、大統領時代に金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党総書記と「仲良くやった」などと発言したことについて、「米国がどの政権になっても、二転三転する乱雑な政治風土は変わらず、我々は意に介さない」とする論評を報じた。

 トランプ氏と金氏は2018年6月に史上初の米朝首脳会談を行ったが、19年にベトナム・ハノイで開かれた会談で非核化交渉が決裂。その後、米朝関係は急速に悪化した。

 朝鮮中央通信はトランプ氏の大統領時代の外交について、「首脳間の個人的な親交を前面に出し、国家間の関係にも反映しようとしたのは事実だが、実質的な肯定的変化はもたらされなかった」と評価。「国家の対外政策と個人的感情は分けて見なければならない」と指摘した。

 また、米韓が北朝鮮との戦闘を想定した軍事演習を展開していることなどに言及し、「対話や交渉という言葉を我々は信じることができるだろうか」と批判。北朝鮮は米国との対決に向けて「十分に準備できている」とし、「朝米対決の秒針が止まるかは、米国の行動次第だ」と強調した。【ソウル日下部元美】

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。