アメリカのバイデン大統領は21日、再選を断念し選挙戦からの撤退を表明しました。
後継にはハリス副大統領を支持し、ハリス氏も立候補を表明しています。

このニュースについて、フジテレビ・立石修解説委員室長と見ていきます。

──撤退決断の裏側で何があったと分析している?

フジテレビ・立石修解説委員室長:
バイデン氏が撤退を発表する1分前まで、ほとんどのスタッフが知らされていなかったということで、かなり極秘裏に進められていたようです。
アメリカのNBCテレビによると、バイデン氏はこれを決断する前に、ハリス氏とトランプ氏が対決した場合どうなるか、民主党が極秘裏に行った調査結果を見せるよう幹部に求めていたということです。
その内容は民主党の数人の幹部しか知らされていないのですが、恐らく自分が戦うよりもハリス氏が戦った方が有利であるという結果を目の当たりにして、今回の決断に至ったと思います。

続いて、アメリカの世論について見ていきます。

アメリカのCBSテレビが行った世論調査では、「どちらに投票するか」という質問に対して、トランプ氏・バイデン氏の場合は、トランプ氏52%、バイデン氏47%と5ポイントの差でした。
一方でハリス氏の場合は、トランプ氏51%、ハリス氏48%で3ポイントの差となり、比べるとハリス氏の方が差は縮まっているという世論調査でした。

──わずかな差かもしれないが、バイデン氏よりハリス氏の方がトランプ氏に勝てると考えている人が多いということ?

フジテレビ・立石修解説委員室長:
現状、バイデン氏が出ようとハリス氏が出ようと、トランプ氏がリードしている状況は変わりないんです。
ただハリスさんは出馬宣言をする前でもありますし、今後のことを考えると、より伸びしろがあるとバイデン氏本人も考えているんじゃないかと思います。

では、こうした動きをトランプ氏はどのように見ているのでしょうか。

バイデン氏が撤退表明をした直後、トランプ氏はCNNの取材に対して、「バイデン大統領は史上最悪の大統領として語り継がれるだろう」とかなり痛烈に批判をしています。
さらに「ハリス氏の方が倒しやすい」と話していて、ハリス副大統領への攻撃を早速展開しています。

一方で、今回の大統領選で重要なのが、トランプ氏もバイデン氏もどちらも嫌という人、いわゆる“ダブルヘイター”が25%もいるといいます。
これが過去最高ということで、2020年の選挙の13%と比べても倍くらいというデータがあります。

フジテレビ・立石修解説委員室長:
4人に1人のアメリカの人たちが、誰に入れていいか分からないという極めて異例の状況だった。
そういうアメリカの人たちの無力感というものをハリス氏がどこまで受け止められるかというのが、今後の選挙戦の展開を見る鍵になると思います。

──トランプ氏は自分の分身のようなバンス氏を副大統領に選んだが、ハリス氏は誰を副大統領に選んでいく?

フジテレビ・立石修解説委員室長:
同じ民主党で考えてみますと、例えばオバマ元大統領は、副大統領として自分とはルーツなど様々な部分で異なるタイプのバイデン氏を選んでペアになっています。
恐らくハリス氏も、この方法を踏襲して、自分ではリーチできない支持層を狙っていくかと思います。
具体的な面々ということで名前が挙がってきていますが、激戦州であるノースカロライナ州の知事であるロイ・クーパー氏、この人はハリスさんの検事時代の同僚でもあります。
あとはミシガン州知事のウィットマー氏。
ウィットマー氏となると、正・副大統領の候補が史上初めて女性のペアとなります。

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