3期目の習近平政権の長期政策を定めた「三中全会」の決定内容が発表されました。低迷する不動産の改革や社会保障改革などが列挙される一方、国家安全を重視する姿勢も改めて打ち出されました。

 中国共産党幹部の全体会議である「三中全会」は7月18日までの4日間、北京で非公開で行われました。

 21日に公開された決定では、低迷する不動産について、低中所得者向けの「保障性住宅」の建設と供給を増やすほか、完成前からローンを払う「前売り制度」を見直すとしています。

 また、国有企業と民営企業をともに重視するとしたうえで、「民営経済促進法」という法律を作り、民営企業の参入障壁などを取り除くとしました。

 また、不動産不況による収入減に苦しむ地方政府に対しては、税収に対する管理権限を拡大させるほか、中央からの資金移転も増やすとしています。

 社会保障に関しては、高齢化社会に対応するため法定退職年齢の引き上げを進めていく考えを示しました。

 さらに、科学技術の発展のために「人材強国」を目指すとし、国家レベルで「戦略科学家」の育成を目指すほか、海外からも優秀な人材を呼び込むとしています。

 また、欧米からの貿易に対する規制が強まるなか、「自立自強」を目指すともしていて、集積回路や医療機器などで自前のサプライチェーンを構築するとしています。

 一方、経済的な政策のほか、「国家安全」を重視する姿勢も鮮明となり、メディアとインターネットを使った世論の一体管理や、生成型AIに関する管理を強化するとしています。

 決定の内容は、習近平主席の3期目の任期が終わった後の、2029年までに完成するとしています。

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