バイデン米大統領=米西部ネバダ州ラスベガスで2024年7月16日、ロイター

 11月の米大統領選への出馬を目指す民主党のバイデン大統領(81)を巡り、党の有力者が水面下で選挙戦継続への懸念を示したり、撤退を促したりする動きが拡大している。米メディアによると、オバマ元大統領が周辺に再選が難しくなっているとの認識を示したほか、ペロシ元下院議長も選挙戦継続への懸念を伝達。上下両院トップも撤退を求めたといい、バイデン氏はさらに苦しい立場に追い込まれてきた。近く決断を迫られるとの見方も報じられている。

 バイデン氏はオバマ元政権で2期8年にわたり副大統領を務めた。オバマ氏は現在も国民の人気が高く、党内で影響力を持つ。ワシントン・ポスト紙によると、オバマ氏は側近に「バイデン氏の再選への道は厳しくなっている」と語ったという。

 オバマ氏はバイデン氏が精彩を欠いた6月27日の討論会の直後は、X(ツイッター)で「(バイデン氏は)人生を通して普通の人々のために戦ってきた人物だ」などと擁護していた。

 またCNNテレビによると、ペロシ氏もバイデン氏に電話で、世論調査の結果ではトランプ前大統領(78)に勝てない上、下院でも多数派の奪還を逃す可能性があると伝えた。一方、バイデン氏は自分が勝てることを示す世論調査もあると反論したという。

 ワシントン・ポスト紙やABCテレビによると、民主党上院トップのシューマー議員と、下院トップのジェフリーズ議員も先週別々にバイデン氏と面会し、撤退を促した。【ワシントン松井聡】

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