18日、バングラデシュの首都ダッカで、警察官らと衝突するデモ参加者ら(ロイター=共同)

 バングラデシュの首都ダッカなどで政府職員採用の優遇枠をなくすよう求める学生らの抗議活動が激化し、地元メディアは18日、デモ隊と治安当局が衝突し、少なくとも18人が死亡したと報じた。治安当局は鎮圧のため、銃や催涙ガスを使用しており、犠牲者数はさらに拡大する恐れがある。

 18日に大規模な抗議活動を行うと予告していたデモ隊は道路を封鎖したほか、警察施設などに放火した。死者の多くは学生とみられ、一部は銃殺されたという。抗議活動に沈静化の兆しはなく、在バングラデシュ日本大使館は同日、在留邦人に安全確保を呼びかけた。

 携帯電話のインターネット通信が遮断されるなど市民生活に大きな影響が出た。16日にもダッカを含む各地で同様の衝突があり6人が死亡した。

 バングラデシュでは、1971年のパキスタンからの独立戦争に加わった兵士は「解放戦士(フリーダムファイター)」と呼ばれ敬意を集める。一方、政府職員の採用枠の3割をこうした人々の子息らに割り当てる措置には批判が多く、政府は2018年に廃止を決定したが、バングラデシュ高裁が今年6月にこれを覆す判断を出し抗議デモが発生。今月に入り激化している。(共同)

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