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 アメリカ大統領選挙の共和党の候補者となったドナルド・トランプ氏は、銃撃事件後初めて公の場に表れ、戦うリーダー像をアピールしました。そして39歳の若き副大統領候補は、大統領選のキーパーソンとなるのでしょうか。

■バンス氏の“炎上”は確信犯?「俺の右腕がここに」

盛り上がる会場 この記事の写真 場内アナウンス
「彼は今夜、こうして勇気と命を狙った者に対する抵抗を示しています。彼を倒せる者はいません」 トランプ氏の右耳に貼られた白いガーゼ

 右耳に貼られた白いガーゼが、事件を生々しく物語ります。九死に一生を得たトランプ氏。そのわずか2日後、健在ぶりを目の当たりにした会場のボルテージは、いやが上にも高まります。

 共和党大会の初日、盛り上がったシーンはもう一つありました。

J.D.バンス上院議員

 トランプ氏の副大統領候補として指名されたJ.D.バンス上院議員が姿を見せると、集まった各州の代表から歓声が上がりました。

 共和党の副大統領候補としてトランプ氏が選んだのが、オハイオ州選出のバンス上院議員です。現在39歳。78歳のトランプ氏の半分の年齢です。

 今、民主党を最も怒らせているのが、バンス氏がSNSに投稿したこの文章です。

バンス氏がSNSに投稿した文章で… バンス上院議員のXから
「バイデン陣営は『トランプ氏が権威主義的なファシストであり、トランプ氏の当選を何としても阻止しなければならない』と主張している。この論調が、暗殺未遂事件に直接つながった」

 銃撃事件を巡りさまざまな陰謀論が渦巻くなか、バイデン政権の主張が銃撃事件を引き起こしたと断定したのです。

 しかも、これは確信犯的な発言だったと、アメリカ政治の専門家は指摘します。

アメリカ政治の専門家は… 上智大学 前嶋和弘教授
「この言葉はトランプ氏の支持者には民主党をたたけというメッセージになる。様々な形で陰謀論が渦巻くことになる。バンス氏は頭が良い人なので分かって言っている。共和党の支持層は固まるが、国の中では分断を生んでしまう。それが分かりながらやっている。このずる賢さは、トランプ氏にすれば『見事だ』と。『頼りになる、ずる賢い男だ』と。『もう一人の俺がいる』『俺の右腕がここにいた』ということだと思います」

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■「かつての敵」を味方に…

■「かつての敵」を味方に…

アメリカンドリームを体現した人物

 白人労働者階級の家庭に生まれたバンス氏は、苦学の末に有名ロースクールを卒業。ベンチャーキャピタル会社の社長を務めるなど、アメリカンドリームを体現した人物でもあります。

 白人貧困層の取り込みを狙うトランプ陣営はバンス氏を抜擢(ばってき)して、有権者へ強力にアピールした形です。

 ただ2016年、トランプ氏が初出馬した頃は、このように話していました。

「腹が立つ」 バンス氏(2016年)
「トランプには腹が立つ。彼は有害で白人労働者階級を非常に暗い場所に導いている」

 しかし、2022年に上院選に出馬したバンス氏は…。

2022年、上院選に出馬したバンス氏 共和党
トランプ前大統領(当時)

「J.D.バンスを上院に送り込むのだ」

 あれほど否定していたトランプ氏に支援を願い出て、バンス氏は初当選を果たしたのです。

上智大学 前嶋和弘教授 前嶋教授
「変節の速さ、ずる賢さ、頭の回転の良さ。自分の右腕には最適ですよね。政権運営時は、特に民主党に対しては猛犬のようにかみついていく」

 トランプ氏はこれまでも「かつての敵」を味方に迎え入れ「強みに」変えてきました。

 裕福なニューヨークの不動産王と、オハイオの貧しい白人労働者階級出身の若者。対照的な2人がタッグを組んで、バイデン陣営に挑みます。

(「グッド!モーニング」2024年7月17日放送分より)

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