米CNNは16日、11月の大統領選で返り咲きを目指す共和党のドナルド・トランプ前大統領(78)が副大統領候補を決める際、実業家のイーロン・マスク氏が土壇場でJ・D・バンス連邦上院議員(39)の起用を働きかけたと報じた。マスク氏は13日の銃撃事件後にトランプ氏への支持を表明。毎月4500万ドル(約71億円)を献金する方針だとも報じられており、ここに来て政界への関与を深めている。
米メディアによると、マスク氏は14日にトランプ氏に電話し、バンス氏の起用を促した。トランプ氏は、過去に自身を批判していたバンス氏の言動や政治経験の少なさを懸念していたが、長男ジュニア氏や保守系評論家のタッカー・カールソン氏らもバンス氏を強く推薦。トランプ氏側がバンス氏に起用を伝えたのは、15日に発表される数十分前だったという。
トランプ氏は中西部ノースダコタ州のダグ・バーガム知事(67)の起用も検討していたが、ジュニア氏らは「エスタブリッシュメント(既存の支配層)の政治家だ」と批判。バーガム氏が過去に公の場で涙ぐんだことがあるとの報道を受けて、「強さ」を重視するトランプ氏の評価が下がったという。
一方、マルコ・ルビオ連邦上院議員(53)は、正副大統領が同じ州に居住する場合、当該州の選挙人票を得られない憲法の規定がネックになった。トランプ、ルビオ両氏はともに南部フロリダ州居住。ルビオ氏が州外に転出する案もあったが、トランプ氏は16年大統領選で舌戦を繰り広げたことも懸念していたという。【中西部ウィスコンシン州ミルウォーキー秋山信一】
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