犬食反対派がソウルなどで声を上げ続けていた CHUNG SUNG-JUN/GETTY IMAGES

<今年1月、食用に犬を飼育、殺処理、流通、提供することを禁じる法律が可決。6匹の犬を飼う愛犬家の尹錫悦大統領夫妻も「犬食反対」を掲げていた>

大昔から、犬肉を食す伝統が続いてきた韓国。その是非についても長年、議論が続いていたが、ついに2027年に「犬肉食」が禁止されることになった。食用に犬を飼育、殺処理、流通、提供することを禁じる「犬食禁止法」が、韓国国会で今年1月に可決されたからだ。

朝鮮半島では紀元前から犬肉を食べる習慣があり、特に蒸し暑い夏の滋養食として親しまれてきた。貧困や戦乱の時代には、安く手に入るタンパク源として食卓に上っていたのだろう。しかし最近では需要が減少し、特に若い世代はほとんど食べなくなっていた。

多くの人がペットとして犬を飼っている現代の韓国では、食用犬の飼育や殺処理方法への批判から、「犬食禁止」の議論が高まっていた。殺処理は、ほとんどが電気ショックか絞殺で行われる。尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領夫妻は6匹の犬を飼う愛犬家で、犬食に反対の立場を表明していた。

犬食業界の従事者が他の仕事を見つけられるよう、「禁止法」の施行までには3年の猶予期間が設けられている。しかしその後は、違反があれば3年以下の懲役か3000万ウォンの罰金が科せられる。

当然、犬食業界からは反対の声も上がっていたが、需要が減少して産業自体が衰退している現実もあった。

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