15日に発表された中国のGDP(国内総生産)の伸び率は4.7%のプラス(4〜6月)と、前期に比べて縮小し(1〜3月:+5.3%)、年間目標の5%前後を下回る結果となりました。景気が減速する中国で何が起きているのでしょうか。


■家賃払えず…相次ぐ閉店

減速する中国経済。その中で顕著なのが、成長を引っ張ってきた消費の低迷です。北京のショッピングモールを覗いてみると…。

「ここも閉まっていますね。お客さんもほとんどいません」
「北京市中心部の高級モールですが、テナントが全然入っていないですね」

別のショッピングモールでは…。

「10年以上続いた高級イタリアンの店ですが、入口が閉ざされています。家賃が支払えないため、契約を解除したと書かれています」

今年上半期に潰れた飲食店は中国全土で105万店。去年の上半期は47万店で倍以上です。

北京でもひときわ目立つ一面ゴールドの建物。2009年に建てられたテナントビル『金泉時代』です。ビル内のいたるところに水道未払いの貼り紙が貼られていました。

「こちらのテナントも閉まっています。ダンス教室のようですが、張り紙があります。水道料金を何カ月にもわたって払っていないようです」


■“青年養老院”に集う理由

今の中国の状況を象徴するかのような場所があります。北京から車で2時間半ほど走らせた山あいの村に『青年養老院』という矛盾した名前を持つ場所がありました。

「青年養老院という大きな幕がかかっています。そして若い方々が皆さん、一緒にご飯を食べています」

一見ただのキャンプですが、実は民宿です。1泊4500円ほどで、長期間滞在する人も(1カ月約6万5000円)いると言います。

最近、仕事を辞めてここに来た男性に話を聞きました。

青年養老院に宿泊(20代)
「一種の逃避です。自分からの。自分の生活様式を変えたかった。以前は毎日懸命に働いてお金を稼ぐだけ」

話を聞くと見えてくるのは、中国の若者が直面している社会状況です。景気減速で就職は厳しく、5月の16〜24歳の失業率は14.2%となっています。

職を得られたとしても安泰ではありません。不合理な内部競争で疲弊した状態を示す『内巻』という流行語も生まれました。

青年養老院に宿泊(20代)
「今、若者たちはリタイアしたいのでしょう。事前に定年後の生活を体験できるのは良いと思う」

創設者も以前は北京で働いていました。

『青年養老院』共同創設者 崔凱さん(32)
「北京で10年“漂流”したから、若者が抱えている焦りやプレッシャーをよく分かっている。ここに来ればリラックスできるので、焦りから解放される場を提供している」

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