トランプ前大統領に対する銃撃事件は今後の大統領選挙にどう影響するのでしょうか。

 (外報部・中丸徹デスク報告)
 今回のトランプ前大統領に対する暗殺未遂事件が大統領選挙にどう影響するかですが、あってはならない銃撃事件ではありましたが、結果としてはトランプ前大統領の選挙戦にとってはプラスになる可能性が高いと思います。

 まず、1つ目は物理的な強さです。撃たれながらも立ち上がって血を流しながら拳を突き上げた、あの写真がこれから何度も報じられていくなかで、銃で撃たれても屈しない男というイメージをトランプ前大統領に持たせるのにプラスに作用するのではないかというのが一つです。

 2つ目は、メッセージとしても様々な妨害に屈しないトランプ前大統領という姿をイメージさせることにプラスになるかと思います。

 そもそも、支持者というのはトランプ的なアメリカに対して民主党政権やアメリカ社会全体が潰しにきているという感覚を持っていて、トランプ前大統領に残されている4つの刑事裁判もその流れで捉えています。

 そのため、この銃撃事件が支持者にとっては、いよいよトランプ前大統領に反対する勢力が物理的に命を狙いに来たというふうに受け止めれば、トランプ支持者の結束が高まって、熱量が高くなっていくということが考えられます。

 一方で、今回選挙戦で狙っている中間層、共和党でも民主党どちらでもない中間層の人にとっては、トランプ氏の熱狂的な支持者が盛り上がることが果たして共和党にプラスになるかというと、そこは未知数なところがあります。

 バイデン大統領は高齢不安から撤退論がささやかれていましたが、今回の事件を受けて逆に民主党の中で仲間割れしている場合ではないというふうに理解されますし、もう一つはこの事件による民主党への負の影響を半ば認めることにもなりますので、実は、バイデン大統領の撤退論は今回の事件を受けてしぼんでいく可能性が高いと見ています。

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