米大統領選撤退を求める声が与党・民主党内から出ているバイデン大統領は11日、ハリス副大統領と共和党のライバルであるトランプ前大統領の名前を混同したものの、再選に向けて突き進むと表明した。ワシントンで開いた記者会見で撮影(2024年 ロイター/Yves Herman)

米大統領選撤退を求める声が与党・民主党内から出ているバイデン大統領は11日、ハリス副大統領と共和党のライバルであるトランプ前大統領の名前を混同したものの、再選に向けて突き進むと表明した。

高齢であることが懸念されているバイデン氏(81)は、トランプ氏を破り、米国をさらに4年率いるのは自分しかいないと主張し、数十年にわたる世界舞台での経験を強調。「年齢がもたらす唯一のことは、注意を払えばちょっとした知恵が生まれることだ」と語った。


 

ハリス氏とトランプ氏の名前を混同したのは1時間近くに及んだ記者会見の冒頭だった。

ロイターがハリス氏への信頼について質問したところ、バイデン氏は「彼女に大統領になる能力がなければ、トランプ副大統領を副大統領には選ばなかっただろう」と答えた。

冒頭ではこのほか、頻繁にせき込み、返答が時折不明瞭だった。終了時にかけては返答が本筋からそれる場面もたびたび見られた。その一方でイスラエル・ガザ紛争や、ロシアや中国に対抗するために西側諸国がより多くの軍事兵器を生産する必要性などについては詳細に答えた。

この数時間前には北大西洋条約機構(NATO)首脳会議関連会合でもウクライナのゼレンスキー大統領を「プーチン大統領」と言い間違えたばかりだった。

下院の民主党議員213人のうち少なくとも16人、上院の民主党議員51人のうち1人はバイデン氏に大統領選からの撤退を公に訴えている。

ジム・ハイムズ下院議員(コネチカット州)も記者会見が終わった直後にそのグループに加わった。

「トランプがもたらす脅威に立ち向かうため、可能な限り最強の候補者を擁立しなければならない。私にはそれがジョー・バイデンであるとはもはや思えない」と語った。

バイデン氏は会見で、健康状態は良好だとし、医師から勧められれば神経学的検査を再度受けるつもりだと述べた。

全米自動車労組も動揺

バイデン氏はNATO首脳会議の閉幕に合わせて記者会見し、米国は「世界から退くことはできない」と述べ、自身の指揮下で米国がウクライナ支援から立ち去ることはないと強調。強力なNATOは米国の安全保障にとって不可欠だと述べた。

トランプ氏について、NATOを弱体化させ、輸入品に高関税を課すことで米消費者物価を上昇させるとも主張した。

また、パレスチナ自治区ガザにおけるイスラエルとイスラム組織ハマスの戦争は直ちに終結しなければならないとし、自身の停戦の枠組みに双方が合意していると述べた。

これとは別にバイデン氏支持を表明している全米自動車労働組合(UAW)のショーン・フェイン会長が11日夜、トランプ氏に勝てるかどうか疑念を深め、執行部と突っ込んだ協議を行ったことが関係者3人の話で分かった。




[ロイター]


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