イギリスの新たな首相、スターマー氏についての著書を執筆したジャーナリストが11日、記者会見を行い、本格的な外交デビューを果たしたスターマー氏は「長い間やりたかったことができて、解放され、ホッとしているだろう」と話しました。

キア・スターマー党首(61)は、ロンドン南部・サリー州で工具職人の父と看護師の母という「労働者階級」の家庭に4人きょうだいの2番目の子として生まれました。

母親が難病を患い、決して裕福とは言えない生活の中で、リーズ大学、そしてオックスフォード大学の大学院に進学し、法律を学びます。その後、人権派弁護士として活躍、検察庁長官を務めるなど法曹界に長く身を置きました。

政界への進出は下院議員に初当選した2015年で、2020年には労働党党首に就任しました。

私生活では、ビクトリア夫人との間に2人の子どもがいます。趣味はサッカーで、イングランド・プレミアリーグ「アーセナル」の熱烈なサポーターとしても知られています。

一方で、まじめな性格で、派手なパフォーマンスを好まないため、イギリスメディアからは「退屈」「カリスマ性がない」などと揶揄されています。

スターマー氏についての著書を今年出版したジャーナリストのトム・ボールドウィン氏は会見を開き、スターマー氏が首相としてアメリカでNATO=北大西洋条約機構の首脳会議に出席し、本格的な外交デビューを果たしたことについて、「長い間やりたかったことができて、解放され、ホッとしているだろう」と指摘しました。

そのうえで、アメリカのバイデン大統領と隣に座って会談した際の様子について、「首相という立場がふさわしく、対等な関係に見える」と評価しました。

また、前の保守党政権では首相が度々、交代したことを背景に、スターマー氏が安定した政権をつくること自体が「変化」だとしたうえで、「スターマー氏はイギリスが復活したことを示し、日本のような民主的な国と安定した同盟関係を築けることを示したいと考えている。これは本当に重要なことだ」と話しました。

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