ワシントンで開かれている北大西洋条約機構(NATO)の首脳会議について、エマニュエル駐日米大使が11日、東京都内で報道各社の取材に応じた。エマニュエル氏は北大西洋地域の安全保障と、対中国で緊張するインド太平洋地域の安全保障が「戦略的、地政学的に不可分になっている」と述べ、NATOと日本などの連携強化に期待を示した。
エマニュエル氏は、ロシアのウクライナ侵攻による食料やエネルギー価格、サプライチェーン(供給網)への影響が、国や地域を超えて世界に広がったと指摘。「もし朝鮮半島や南シナ海で何か起きた場合、世界の他の地域に影響を与えないということにはならない」と発言し、対中国を念頭に両地域が連携を深める必要があるとの認識を示した。
さらに、エマニュエル氏は、かつて機能不全の懸念から「脳死状態」とも批判されたNATOが再び脚光を浴び、新規加盟希望国が相次ぐようになったと指摘。これはウクライナ侵攻の影響だけでなく、「バイデン米大統領が同盟を築くため、丁寧に注力してきた結果だ」とも強調した。【平野光芳】
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