巡航ミサイル「カリブル」のイメージ Anelo-Shutterstock
<今年最大規模の攻撃を展開するロシア軍。ミサイルはカスピ海からも発射されている>
ウクライナに向けて発射されたロシアの巡航ミサイルがカスピ海の上空を通過していくシーンとみられる動画が、ソーシャルメディア上で拡散されている。
【動画】巡航ミサイルが「超低空飛行」で頭のすぐ上を通過...カスピ海で漁師が撮影した衝撃シーン
問題の動画は、クリミア半島を拠点とする「クリミアの風」や、親ロシアの「ミリタリー・インフォーマント(Military Informant)」を含む複数のテレグラムチャンネルがシェアしているもので、7月8日にウクライナへ向かうミサイルをとらえたものとされている。
ロシアは8日、今年最大規模の攻撃を開始し、ウクライナ全土の標的を狙って少なくとも40発のミサイルを発射した。キーウのオフマディト小児病院もそこに含まれていた。ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領によれば、全国で少なくとも43人が死亡し、200人近くが負傷したという。
クリミアの風は10日にこの動画をシェアした際、「ロシアの巡航ミサイルが7月8日、ウクライナに向かってカスピ海上空を飛行している瞬間」と述べている。
「7月8日、標的に向かう2発のカリブルが漁師たちの頭上スレスレを飛行」と、ミリタリー・インフォーマントは説明する。
動画をシェアしたX(旧ツイッター)ユーザーは、「超低高度でカスピ海上空を飛行し、ウクライナへ向かうロシアの『巡航ミサイル』」と綴った。
この動画はインスタグラムユーザーのRasul Menlekaev(@rasulmenlekaev)が撮影したものとみられ、8日にこの動画をアップロードした。2発のミサイルは海面近くを飛行し、船のすぐそばを通過していった。
本誌はこの動画がいつどこで撮影されたか独自に確認できておらず、電子メールでロシア国防省にコメントを求めている。
ウクライナの独立系メディア「Texty.org.ua」によると、ロシアはカスピ小艦隊の艦艇や爆撃機「Tu-95」および「Tu-160」を動員し、カスピ海からウクライナへの巡航ミサイル攻撃を定期的に仕掛けているという。
ロシア国防省は開戦の数週間後、カスピ海や黒海の艦艇からカリブル巡航ミサイルでウクライナ領土を攻撃したと発表している。
ウクライナは8日、ロシアが巡航ミサイルでキーウのオフマディト小児病院を攻撃したと非難した。
同日、ロシアは小児病院を標的にしたことを否定し、ウクライナの防空ミサイルの破片が病院に落下したと述べた。ロシア大統領府のドミトリー・ペスコフ報道官は、「われわれは民間施設を標的にした攻撃は行っていない」と述べた。
ウクライナによれば、ロシアは小児病院の攻撃に「Kh-101」巡航ミサイルを使用したという。ウクライナ保安庁(SBU)は、このミサイルの破片が発見されたと述べている。「専門家らの結論は疑いの余地がない──直接的な攻撃だった」
本誌はこの主張の真偽を確認できていない。
ウクライナ空軍のユーリ・イフナト報道官はフェイスブック投稿の中で、8日にウクライナ全土の標的を攻撃したロシアの巡航ミサイルは「きわめて低い」高度を飛行していたと述べた。そのいくつかは、地上から50メートル足らずのところを飛んでいたという。
(翻訳:ガリレオ)
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