米議会上下両院の民主党議員団は9日、ジョー・バイデン大統領(81)の高齢不安の再燃を受け、それぞれ非公開の会合を開いた。両院指導部は終了後の記者会見でバイデン氏を支持する意向を表明したが、このまま11月の大統領選に臨むことを懸念する声やバイデン氏に撤退を求める声は収まっていない。
会合は下院が午前に、上院が午後に開いた。バイデン氏が精彩を欠いた6月下旬のテレビ討論会以降で初めて、両院の議員らがそれぞれ一堂に会した。
上院民主党トップのチャック・シューマー院内総務は会見で、バイデン氏の大統領としての適性に関する質問に対し、「これまで述べてきた通り、私はジョーを支持している」との言葉を3回繰り返した。また、下院民主党執行部のピート・アギーラ氏は「現時点ではバイデン大統領が候補者であり、我々は(共和党の)ドナルド・トランプ氏を打ち負かす民主党候補者を支持している」と話した。
会合に先立つ8日、バイデン氏は党所属議員に宛てた書簡で、選挙戦を最後まで戦い、トランプ氏を打ち負かすとの決意を表明。議会の黒人議員連盟のメンバーなどから改めて支持表明を得ている。
上院ではバイデン氏に公然と撤退を求めている議員はいない。マーク・ワーナー上院議員が撤退要求の会合を8日に開くと米メディアで報じられたが、会合は取りやめになった。
一方、下院では公然と撤退を求める議員がいる。9日も、新たにミキー・シェリル下院議員が、バイデン氏に対して「再選に立候補せず、新たな候補指名に向けたプロセスを導いてくれるよう求めている」との声明を発表した。米紙ワシントン・ポストによると、9日夕方の時点で撤退を求める立場を明示する議員は計10人になった。【ワシントン西田進一郎】
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