米首都ワシントンのシンクタンクで講演するヘイリー元国連大使=5月22日、AP   

 米大統領選の共和党候補指名争いでトランプ前大統領(78)に敗れたヘイリー元国連大使(52)は9日、自身が獲得した代議員らに対し、中西部ウィスコンシン州ミルウォーキーで15日に始まる党全国大会ではトランプ氏を候補として支持するよう促した。米政治メディア「ポリティコ」などが伝えた。

 ヘイリー氏は声明で、党候補を正式に指名する党全国大会について「共和党の団結の時だ」と強調した。「敵に責任を取らせ、国境を守り、債務を削減し、経済を軌道に乗せる大統領が私たちには必要だ。ミルウォーキーで来週、ドナルド・トランプを支持するよう代議員たちに勧める」と呼びかけたという。大会では、全代議員の9割以上にあたる2200人以上を獲得したトランプ氏が正式に指名される予定だ。

 今年1月から実施された党予備選・党員集会で、ヘイリー氏はトランプ氏と最後まで争った。党穏健派の支持を背景に、首都ワシントンと東部バーモント州で勝利するなど12州で計97人の代議員を獲得したが、3月に撤退した。

 ヘイリー氏は5月、イベントでの質問に答える形で、11月の本選挙ではトランプ氏に投票する考えを表明。その際、トランプ氏に対して「私に投票し、支持し続けてくれている何百万もの人々に手を差し伸べるのが賢明だ」と呼びかけた。しかし、トランプ氏陣営がヘイリー氏やその支持者に働きかけたかは不明だ。ポリティコによると、ヘイリー氏は党全国大会に招待されなかったという。【ワシントン西田進一郎】

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