ほほ笑みの国と呼ばれるタイで相次ぐ、「お金見せて詐欺」。
狙われたのは、日本人観光客でした。

6月、首都バンコクの繁華街で、男女2人組に「日本のお札を見せて」と言われた日本人男性が、現金約5万7000円をだまし取られる被害に遭いました。

手口は大胆なものでした。

道端で、突然ドバイから来たという中東系の男女が、「日本のお札を見せてほしい」に声をかけてくるといいます。
日本人が財布を出してお札を渡すと、パラパラと枚数を数え始め、お札を返しその場から立ち去ります。
しかし実は、数える振りをしてマジシャンのような手つきでお札を盗み取っていたのです。

年末年始にタイを訪れた50代の男性に話しかけてきたのも中東系の男女でした。

詐欺犯に狙われた人(50代):
瞬間的にこいつやばいやつだと思った。たぶんこいつは詐欺師だろうなと。「お金を見せて」と言われた瞬間思った。

一方、2024年4月にバンコク市内で40代の男性が声をかけられたのは、中東系の男と2人の子どもでした。

詐欺犯に狙われた人(40代):
一番びっくりしたのが、1人ではなく家族だと思うが、娘が2人いたのは覚えている。(男が)「来月に日本に行くから日本のお金を見せてほしい」と言われた。

急増するお金見せて詐欺。
大使館に寄せられた被害は13件で、被害額は約26万円。

日本人観光客はこの詐欺について、「日本人はやさしいから(札を)見せると思う、こわい」「外に出るときは最低限の金額しか持っていかない」と話してます。

専門家は、「詐欺犯が最近、新たに発行された新紙幣に目をつけているのではないか」と指摘します。

国際的な詐欺に詳しい松隈貴史弁護士:
(新紙幣は)非常に自然な話なので、警戒心が緩んでしまうところを(詐欺犯が)突いてくる危険性は高い。非常に注意が必要。

在タイ日本大使館は、把握できている数は氷山の一角。
「観光先などで見知らぬ人から声をかけられても相手にせず、速やかに立ち去ってください」と注意を呼びかけています。

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