汚職疑惑で台湾の海峡交流基金会の理事長を辞任した鄭文燦氏=同会提供

 台湾の対中国窓口機関「海峡交流基金会」は7日、トップを務める鄭文燦(てい・ぶんさん)理事長(57)が辞任したと発表した。台湾メディアによると、地元検察が6日、鄭氏を北部・桃園市長在任時の汚職容疑で逮捕していた。同基金会は辞任について「組織の政務に影響が出るのを避けるため」としている。

 鄭氏は与党・民進党の大物政治家で、6月初めに理事長に就任したばかりだった。少数与党の頼清徳政権は、野党からのさらなる攻勢を受けそうだ。

 台湾紙「自由時報」によると、鄭氏は桃園市長だった2017年に、市内の土地開発計画に関して業者から500万台湾ドル(約2500万円)の賄賂を受け取った疑いがある。検察は今年6月、業者らへの強制捜査に着手していた。

 鄭氏は弁護士を通じて「不法行為はしていない。潔白が証明されることを期待する」との談話を発表。保釈金500万台湾ドルを納め、保釈された。

 鄭氏は行政院副院長(副首相)などを歴任し、蔡英文前総統の後継候補として頼総統(64)と並んで名前が挙がっていた。野党・国民党は「頼氏や蔡氏は事実を把握していたのか説明すべきだ」と批判を強めている。【台北・林哲平】

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