パレスチナ自治区ガザ地区のイスラム組織ハマスとイスラエルの停戦交渉を巡り、ロイター通信は6日、ハマスが「恒久的な停戦」の条件を一時棚上げしたと報じた。まず一時休戦を実現した上で、本格的な停戦交渉に入ることを認める内容で、態度を大きく軟化させた。ただ双方の間には依然として溝があり、合意に達するかは不透明だ。
協議されている停戦案には3段階あり、第1段階の6週間の休戦期間中に恒久的な停戦やイスラエル軍の完全撤収に向けた交渉を行う内容。これに対し、ハマスはイスラエルが休戦後に戦闘を再開させることを警戒し、最初から恒久的な停戦を保証するよう主張。一方、「ハマス壊滅」を掲げるイスラエルは受け入れず、交渉は停滞していた。
だが、ロイター通信によると、ハマス幹部は6日、休戦が始まってから恒久的な停戦に向けた交渉を始めることを了承したと明らかにした。恒久的な停戦に至るかどうかが曖昧になったことで、イスラエルの交渉関係者からは、休戦が実現する「現実的な可能性」があるとの声も出ている。
ただ、米ニュースサイト「アクシオス」によると、ハマスは休戦後の交渉期間については期限を設けないよう仲介国に要求。仲介国が書面で、最終的に停戦合意に至ることを保証することも求めている。
これに対してイスラエルの対外諜報(ちょうほう)機関モサドのバルネア長官は5日、仲介国カタールでの協議で、仲介国の書面による保証に難色を示したとも報じられている。イスラエル当局者は、ハマスの要求が書面に含まれた場合、ハマスは交渉を無期限に引き延ばすことができると警戒している。
イスラエル軍は6日もガザへの攻撃を続けた。ガザ保健当局によると、中部ヌセイラットでイスラエル軍の空爆があり、少なくとも16人が死亡した。戦闘開始後のガザ側の死者は3万8098人になった。【エルサレム松岡大地、カイロ金子淳】
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