カリブ海で猛威を振るうハリケーン「ベリル」。勢力を保ったままさらなる被害が懸念されています。

■ハリケーン「ベリル」が猛威

 最大風速はおよそ70メートル…。

地元住民
「まさか、コンクリート製の家がペシャンコになるなんて。この世の出来事とは思えない」

 通過した後には破壊された建物とがれきの山が…。ほぼ壊滅状態となった島も。

グレナダ ディコン・ミッチェル首相
「破壊のレベルはまるでアルマゲドン(世界の終わり)です。あらゆる建物がことごとく破壊されました」

■史上最も早く“最強”カテゴリー5に

 中米カリブ海で甚大な被害をもたらしている超大型ハリケーン「ベリル」。その規模は最も強力なカテゴリー5です。6月から始まったハリケーンのシーズン。勢力の強いものにはアルファベット順に名前が付けられ、注意が呼び掛けられます。

 今シーズン最初に発生した「アルベルト」は一番下の「熱帯暴風雨」ですが、アメリカ南部などで洪水を引き起こしました。

 続いてカリブ海の東で「ベリル」が発生するなか、メキシコ湾には早くも熱帯暴風雨「クリス」が…。大雨によって土砂崩れなどを引き起こしました。「クリス」の脅威は去りましたが、店では木の板や食材が品薄になるなど、嵐への備えは続いています。

 実はそのころ、「ベリル」が急激に勢力を増していたのです。

世界気象機関 ナリス報道官
「当初は熱帯暴風雨でしたが急速に発達し、24時間以内でカテゴリー4の嵐になりました。6月としては史上初めてのこと」

 さらに「ベリル」はカテゴリー5へも史上最速で発達。その理由は気候変動によるものでした。

気候学者
「第一には地球温暖化と海水表面温度の上昇。それらがより強い嵐を生む背景となっている」

■「経験ない規模」さらなる被害懸念

 勢力を保ったままハリケーン「ベリル」は西へと進み、破壊の限りを尽くしています。

地元の漁師
「これまで経験したことのない規模のハリケーンだった。誰もあんなものに来てほしくないと思う」

 3日にはジャマイカに接近…。

CNN記者
「立っているのも難しい状態です。非常に強い風が吹いています」

アメリカ 国立ハリケーンセンター マイケル・ブレナン氏
「危険なハリケーンです。最大風速は48.4メートル。カリブ海北西部を速い速度で西北西に進んでいます」

 「ベリル」によってこれまでに少なくとも10人が死亡。

 この後、メキシコのユカタン半島に上陸する見通しで、現地当局は住民や観光客に警戒を呼び掛けています。

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