バイデン米大統領=2024年1月23日、秋山信一撮影

 ブルームバーグ通信は3日、米民主党の連邦下院議員数十人がバイデン大統領(81)に対し、11月の大統領選からの撤退を求める書簡を出すことを検討していると報じた。バイデン氏は6月の討論会で言葉に詰まるなどして高齢不安に拍車がかかった。3日には前日に初めて民主党の現職議員として撤退を要求したドゲット下院議員に続き、グリハルバ下院議員も撤退を求めた。今後こうした動きがさらに広がる可能性がある。

 グリハルバ氏は米紙ニューヨーク・タイムズとのインタビューで、「バイデン氏がすべきことは(民主党の)大統領を維持することで、選挙戦から撤退することもその責任の一部だ」と訴えた。

 大統領選投票日の11月5日は、下院(435議席)の全議席と、上院(100議席)のうち約3分の1の議席を争う議会選も同時に実施される。議員にとっては、バイデン氏が不安を抱えたまま選挙戦を継続すれば、自身の選挙にも影響を与えかねないとの危機感が強いとみられる。

 一方、民主党の有力者の発言にも、ここに来て微妙な変化が見られる。

 バイデン氏が2020年大統領選の予備選で党の候補者指名を得る流れをつくったクライバーン下院議員は2日、バイデン氏を擁護しつつ、仮に撤退する場合はハリス副大統領を支持すると表明した。

 またペロシ元下院議長も「(討論会の様子が)一度きりのことなのか、普段の姿なのかを問うのは正当だ」などと述べた。【ワシントン松井聡】

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