米連邦準備制度理事会(FRB)本部=米ワシントンで

 米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は2日、物価上昇(インフレ)が鈍化しているとの認識を示しつつ、利下げを決める前に「2%に向かって持続的に低下するとのより強い確信がほしい」と述べた。市場で取り沙汰されている9月会合での利下げの可能性については「具体的な日付に言及するつもりはない」と回答を避けた。

 FRBが物価の目安とする個人消費支出(PCE)物価指数は5月に前年同月比2・6%上昇となり、FRBが目標とする2%に接近。パウエル氏は「我々は前進を遂げ、インフレ率を目標に向け引き下げつつある」と評価しつつも、「早過ぎれば、これまでの成果を台無しにする恐れがある」と述べ、早期の利下げ開始に慎重な姿勢を示した。

 欧州中央銀行(ECB)がポルトガルで開いたイベントで発言した。

 FRBは6月会合で示した最新の経済見通しで年内1回の利下げシナリオを示唆している。市場では7月会合では金利が据え置かれ、利下げは最速でも9月会合との観測が出ている。【ワシントン大久保渉】

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