オリンピックを目前に控えたフランスで国民議会総選挙の第一回投票が行われ、ヨーロッパ議会選挙で大勝した極右政党が大きく躍進しました。

今回の総選挙は、先月9日に行われたヨーロッパ議会選挙で与党連合が極右政党・国民連合に大敗したのを受け、マクロン大統領が国民に信を問うとして実施したものです。

定数577議席が小選挙区で争われ、過半数の票を得た候補者が当選し、当選者がいない場合は一週間後に上位2名と、一定数の得票を得た候補者の間で決選投票が行われます。

世論調査会社の推計によりますと、第一回投票で、移民排斥などを主張する極右政党「国民連合」が得票率33.2%で第一勢力となる勢いで、次いで急進左派と社会党、共産党などの左派連合「新人民戦線」が28.1%、マクロン大統領の中道・与党連合は21%で第三勢力に後退する見通しです。

7日に実施される決選投票では「極右阻止」をめざして左派と中道が候補者の一本化で協力する可能性もあり、最終的な勢力図は予断を許さない状況です。

しかし、マクロン大統領が打って出た議会解散の「賭け」が裏目に出たのは確実で、オリンピックを目前に控え、議会のねじれと求心力の低下により、今後は厳しい国政運営を迫られることになります。

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