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<標的から離れた場所からでも、正確に攻撃を行うことができる「滑空爆弾」は、防空システムでの検知や迎撃が困難>

ウクライナ軍のミグ29戦闘機が「ポップアップ(急浮上)」機動を行いながら、フランス製AASM-250「ハンマー」滑空爆弾を発射してロシア軍の拠点を攻撃する様子を捉えた動画が、ソーシャルメディア上に出回っている。ロシア国内からのミサイル攻撃に悩むウクライナは、こうした技術を駆使して遠隔地への攻撃を強化しようとしていると見られる。

■【動画】ウクライナ機、超低空から「滑空爆弾」発射...防空ミサイルを「神回避」し、ピンポイント爆撃成功の瞬間

問題の動画には、ミグ29戦闘機が超低空から高精度爆弾を投下した後、ミサイル回避の機動を取る様子が映っている。この戦術は、戦闘機が敵の防空システムによる検知・迎撃を回避しつつ爆発物を投下する際に有効になる。

ロシアのテレグラムチャンネル「Milinfolive」はこの動画を投稿し、「現在、敵(ウクライナ)は前線近くの低高度からだけではなく、高高度および遠く離れた場所からも、西側製のさまざまな爆発物を投下している」と伝えた。

このアプローチにより、戦闘機はより離れた場所から爆発物を投下し、標的に向けて爆発物を「滑空」させる一方で、長距離対空防空システムに検知・迎撃されるリスクを最小限に抑えることが可能だ。

「ロシアの防空システムや戦闘機がかなりの数にのぼるため、それに対応するためにウクライナは西側から供与を受けた航空爆弾を使うようになっていくだろうと我々は予想していた」と同チャンネルはつけ加え、2022年12月以降のウクライナ軍の戦略変更を指摘した。

6月下旬にはロシア軍が滑空爆弾でハルキウを攻撃

滑空爆弾とは、簡単に言えば通常の爆弾を改造して翼やナビゲーションシステムを搭載し、標的に向かって滑空することを可能にしたものだ。最初からこのような設計に基づいて製造された滑空爆弾もあれば、後から改造されたものもある。

ロシアの英字新聞「モスクワ・タイムズ」によれば、「滑空」機能の追加により爆弾を「これまでよりもずっと遠くまで移動させる」ことが可能になり、「無誘導爆弾よりもはるかに正確に」標的を攻撃することが可能になる。

6月22日にはロシア軍がウクライナ東部のハルキウを滑空爆弾で攻撃し、甚大な被害をもたらした。ロシア領深部から発射された滑空爆弾は標的まで約50~70キロメートル滑空して標的に到達し、着弾時に大規模な破壊をもたらした。

ウクライナ側は、多くのウクライナ防空システムの射程外から発射される滑空爆弾への対応に苦慮している。アメリカはウクライナがロシア領内で特定の兵器を使用することを制限しており、これがウクライナの防衛の取り組みをさらに複雑化させている。

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