民主党のバイデン米大統領(右)と共和党のトランプ前米大統領=AP
写真一覧

 11月の米大統領選に向けた第1回候補者テレビ討論会が27日夜(日本時間28日午前)、南部ジョージア州アトランタで開かれる。顔ぶれは2020年の前回大統領選と同じ。再選を目指す民主党のジョー・バイデン大統領(81)と、返り咲きを狙う共和党のドナルド・トランプ前大統領(78)が4年ぶりに直接対決する。

 テレビ討論会はこれまで、夏に行われる両党の党全国大会で候補者が正式に指名された後に行われてきた。今回も党大会は7~8月に行われるが、それに先立って討論会が開かれる異例の事態となる。

 主催する米CNNによると、討論会は午後9時(日本時間28日午前10時)から1時間半にわたって行われる。会場に聴衆を入れず、候補者2人とCNNの番組ホスト2人が向き合う。候補者は原稿や想定問答を持ち込むことができない。

 両陣営の代表によるコイントスで、バイデン氏が舞台上で視聴者から見て右側に立つことを決め、トランプ氏は左側に立つという。4年前に開かれた2回の討論会でも、バイデン氏はいずれも右側に立った。

バイデン氏とトランプ氏の横顔
写真一覧

支持率は伯仲

 全米レベルの世論調査で2人の支持率は拮抗(きっこう)している。政治サイト「リアル・クリア・ポリティクス」による各種世論調査の集計(25日時点)によると、トランプ氏が46・5%で、バイデン氏は45・2%だ。

 バイデン氏は20日から首都ワシントン郊外にある大統領専用の山荘「キャンプデービッド」にこもり、約1週間にわたって討論会の準備を進めてきた。討論会では、21年1月の連邦議会襲撃事件などを取り上げてトランプ氏が民主主義にとって脅威だと強調し、トランプ氏が返り咲けば人工妊娠中絶など女性の権利が奪われると訴える構えだ。

 一方のトランプ氏は、バイデン政権下で急増した不法移民の問題や物価高などを追及するとともに、バイデン氏の年齢や健康問題なども絡めて大統領には不適格だと主張するとみられる。不倫相手に支払った口止め料を不正に会計処理したとして5月末に有罪評決を受けたが、裁判官らを批判して反論することも予想される。【ワシントン西田進一郎】

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。