イギリスを訪問中の天皇皇后両陛下は26日、特別区のシティ・オブ・ロンドンに招待されました。君主を出迎えるということで、シティの代表もローブに三角帽といった装いです。

晩餐会での陛下のスピーチは、ここが世界金融の中心地であることを意識した内容でした。

天皇陛下:「東京と横浜を結ぶ我が国、初めての鉄道の建設費の多くは、このシティで発行した外債により調達され、我が国の経済繁栄のきっかけとなりました」

お金にまつわる個人的な思い出も語られました。

天皇陛下:「留学当初は、どうしても英国のお金の扱いに慣れず、ついついコインより紙幣を多く使ってしまい、結果として、手元には重いコインをためることとなり、ある時、それらが財布から一遍にこぼれ落ちてしまったことがありました。私は、大いに慌てましたが、周りにいた人たちが手分けして拾ってくださり、英国の人たちの優しさに触れ、すがすがしい気分になり(寮のある)コレッジに帰りました」

社交界で大人たちとの公務をこなされる一方、晩さん会の約2時間前には、子ども博物館を訪れ、子どもたちと交流されました。

22日から始まった天皇皇后両陛下のイギリス訪問も残すところ、2日となりました。

まだ予定はありますが、皇室とイギリス王室との公式日程は、バッキンガム宮殿に赴いてのお別れのあいさつが最後となります。車止めの前で、天皇皇后両陛下は、チャールズ国王夫妻と話し込まれていました。

今回の訪問は、元々、エリザベス女王から国賓として招待されたものでした。しかし、新型コロナで延期となり、その間に女王もお亡くなりになりました。

天皇陛下(19日):「英国に到着した翌々日、エリザベス女王陛下からバッキンガム宮殿でのお茶にご招待いただき、女王陛下御自身で、紅茶を入れてくださるなど、くつろいだ雰囲気のなかで、楽しいひと時を過ごさせていただきました。エリザベス女王陛下が亡くなられたことは、本当に残念なことでした。ご存命中にうかがえなかったことが心残りです」

留学中は、女王が運転する車に乗せてもらったり、バーベキューに招待されることもあったそうです。

陛下は、エリザベス女王の墓前に花を手向けに行かれます。

醍醐穣記者:「ウィンザー城は、エリザベス女王が週末を過ごすお気に入りの場所でした。2001年には、女王の招きで、陛下はこちらに宿泊されています。延期となった2020年の訪問が実現していれば、天皇皇后両陛下そろって、こちらに宿泊される予定でした。女王との思い出の地、そして、女王が眠るこの場所に、まもなく陛下が到着されます」

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