中国南部で記録的な大雨が続き、深刻な被害が出ています。

湖南省の長沙市で24日に撮影された映像では、街の広い範囲が冠水し、地下鉄の入り口が完全に水没しています。

冠水した道路を進む自転車。撮影者は思わず「まるで海のようだ」とつぶやきました。

多くの車が水に浸かって動けなくなる中、水しぶきを上げながら進む車。
長沙市では、1時間に約65mmの雨が降るなど、過去10年で最大の雨量を観測したということです。
市場では野菜が流され、冠水した道路を走る車の前を魚が飛び跳ねていました。

中国南部では、6月中旬からの大雨で、各地で土砂災害や浸水などの被害が発生しています。

6月16日、広東省で撮影された防犯カメラの映像に映っていたのは、茶色く濁った水が流れる橋の上を傘をさして歩く人。荷物を引いて、渡った橋を引き返そうとした次の瞬間、橋が濁流にのまれ、崩壊しました。橋を渡りきってからわずか30秒後のことでした。

安徽省で撮影された映像では、多くの住民が不安そうに見つめる中、土砂崩れが発生し、住宅が倒壊しました。

中国メディアによると、これまでに広東省や福建省などで50人以上の死亡が確認されたということです。

被災地では、救助隊がボートなどを使って、取り残された住民の救出にあたっています。

濁流の中、ブルドーザーを使っての救出も見られました。

住民は「私たちは自力で救助活動を始めました。近所の人たちや村の幹部が助けに来てくれました」と話しました。

中国南部では、6月末まで大雨となる可能性があるということです。

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