ホンジュラスから来日して首相官邸を訪れた際のフアン・エルナンデス大統領(当時)2015年7月22日午後6時31分、藤井太郎撮影

 米国へのコカイン密輸で麻薬組織と共謀した罪などに問われた中米ホンジュラスのフアン・エルナンデス前大統領(55)に対し、米東部ニューヨークの連邦地裁は26日、禁錮45年と罰金800万ドル(12億8600万円)の判決を下した。陪審が3月、3件の罪状全てで有罪評決を言い渡していた。エルナンデス被告の弁護人は判決を不服として控訴する方針だ。

 起訴状などによると、エルナンデス被告は2004~22年、ホンジュラスやメキシコなどに拠点を置く複数の麻薬組織と協力し、コカイン400トン以上の密輸に関与した。捜査当局や軍の機密情報を渡すなどして麻薬組織を保護し、見返りに数百万ドルの賄賂を受け取ったとされる。

 検察側は、被告が賄賂で私腹を肥やしたほか、政界工作資金に使ったと指摘。大統領選の結果を操作するために当局者の買収に充てたと主張していた。

 エルナンデス被告は14年から2期8年、大統領を務めた。退任後の22年2月、ホンジュラス警察に逮捕され、同4月に米国に引き渡された。裁判では無罪を主張し、麻薬組織から賄賂を受け取ったことも否定していた。【ニューヨーク中村聡也】

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