南カリフォルニアの海軍基地に停泊しているのが捉えられた最新型の無人潜水艇「マンタレイ」 GOOGLE EARTH / MAXAR
<ベールを抜いだ無人潜水艇は、マンタレイのように「翼」を持ち、水中をグライダーのように滑空する最新のテクノロジーを満載している>
米海軍が極秘で開発してきた無人潜水艇、通称「マンタレイ」が、最近のグーグルマップの最新の衛星画像で、カリフォルニア州ポートフエネメ海軍基地に停泊しているのが発見された。
米ノースロップ・グラマン社が開発したこのハイテク潜水艇は、人間の介入なしに長時間の監視・輸送任務を遂行できる最先端の潜水艇開発を目指す海軍プロジェクトの一部だ。
巨大な「翼」をはためかせて海中を遊泳するマンタレイにちなんで名づけられたこの潜水艇は、「スターウォーズ」に登場する戦闘機にも似ている。
NORTHROP GRUMMAN
ノースロップ・グラマンによると、マンタレイは人間の関与を必要としない自律型兵器であるばかりでなく省エネ機能も備えており、海底に錨を下ろして「冬眠」することもできる。
【動画】水中を滑空し、「冬眠」もできるマンタレイ
モジュール構造のマンタレイは、標準的な貨物コンテナで容易に輸送でき、世界中の遠征任務に赴いて迅速に組み立てることができる。
海軍は2024年に入ってから、カリフォルニア州南部の沖合で、マンタレイの演習を成功裏に終えたと報告している。これは、グーグルマップでマンタレイが確認された場所と一致している。この演習では、浮力、プロペラ、制御など、すべての推進、操舵モードを用いて潜水運用を行い、マンタレイの流体力学的性能が試された。
一部の報道によれば、海軍はマンタレイのテストに3カ月以上を費やした。
米国防高等研究計画局(DARPA)でこのプロジェクトを担当するカイル・ウェルナー博士は、「実物大のマンタレイのテストが成功したことで、現場で貨物モジュールを素早く組み立てて運用する準備が整った」と評価する。
米国防総省は、無人潜水機技術と、その戦場投入への関心をますます強めている。防衛アナリストはマンタレイの開発について、ロシアと中国をはじめとする他国における無人潜水艇技術の進歩に対抗するための戦略的な動きと捉えている。
ロシア海軍は昨年、最大時速100ノットと称する魚雷型の無人小型潜水機「ポセイドン」を30機入手する計画を発表した。一方中国は2024年、マレーシアの首都クアラルンプールで開催された展示会「ディフェンス・サービス・アジア(DSA)」で、内部構造がわかるように切断されたポセイドン型ドローンの縮尺模型を披露した。
(翻訳:ガリレオ)
【動画】水中を滑空し、「冬眠」もできるマンタレイ
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