偽造品の「ボトックス」注射による有害事象を報告するCDCのホームページ=2024年4月17日、八田浩輔撮影

 米国の複数の州で美容目的で「ボトックス」の注射を受けた後に体調不良になったり入院したりする例が相次いでいるとして、米疾病対策センター(CDC)が調査を始めた。いずれもスパなど医療施設ではない場所で注射を受けたとしている。一部で偽造品も見つかった。

 ボトックスはボツリヌス菌が作り出す毒素が主成分で、しわ取りなどを目的に施術される。

 CDCの発表によると、フロリダ州、ニューヨーク州、ワシントン州など全米9州で施術を受けた20~50代の女性19人で有害事象が報告された。注射部位以外に毒素が広がった可能性が懸念されたため、このうち9人が入院し、4人はボツリヌス菌の抗毒素による治療を受けた。死亡例は報告されていない。いずれも無免許または訓練を受けていない個人から投与され、一部は偽造品だったという。

 CDCによると、ボツリヌス中毒には目のかすみやまぶたのたれ、呼吸困難などの症状がみられ、治療しなければ死に至る可能性もあるとしている。【ニューヨーク八田浩輔】

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