軍事政権下のミャンマーで懲役刑を受け、拘束中のアウンサンスーチー氏が19日、誕生日を迎えるのに合わせ、次男のキム・エアリス氏がANNの単独インタビューに応じました。

 アウンサンスーチー氏の次男、キム・エアリス氏はイギリス在住で、国軍が明らかにしないスーチー氏の状況について様々な方法で情報収集をしているといいます。

キム・エアリス氏
「(スーチー氏は)まだ首都ネピドーで収監されているはずです。歯周病など健康の問題を抱えています。食事も困難な状態です」

 スーチー氏は2021年の国軍のクーデターで拘束されたまま自由を与えられていません。

 エアリス氏はクーデター後、スーチー氏と手紙のやり取りをしたといいます。

キム・エアリス氏
「クーデター後は去年、手紙を1度だけ書いています。差し入れとともに母に送りました」

 スーチー氏から返事がきたのは、今年初めのことです。

キム・エアリス氏
「手紙は必ず検閲されるため、書けることは限られています。(手紙では)監禁の状況、歯の問題について伝えてくれました」
「(Q.政党や政治についての発言は?)手紙ではそのような話には全く触れていませんでした」

 スーチー氏はオックスフォード大学留学中に知り合ったイギリス人男性と結婚し、エアリス氏ら2人の息子がいます。

 しかし、2011年まで続いた以前の軍事政権下で軟禁などを受け、家族とは長く離れて暮らしていました。

キム・エアリス氏
「一緒にいたいという気持ちは強かった。でも祖国のために活動する母のことを誇りに思っていた」

 エアリス氏はスーチー氏が京都大学の研究員だったころに日本で暮らしていました。

キム・エアリス氏
「実は私と母は2人だけで日本に1年間、住んでいたことがあるのです。私にとっては普通の母親だった。『宿題をしなさい』などと言われました」

 民主化運動を続けたスーチー氏は2016年、自らが率いる政党が政権を取りますが、その後クーデターで拘束され、禁錮33年の刑を受けました。

キム・エアリス氏
「母に対する罪状はでたらめで、でっち上げです。(軍政は)完全に不法な存在です」

 エアリス氏は日本への思いが強いと話します。

キム・エアリス氏
「日本の人々が母とミャンマーの民主化を強く支えて下さったことはよく知っています」

 一方で、日本政府の姿勢に疑問を投げ掛けます。

キム・エアリス氏
「(民主化運動支援の)姿勢が全く明確ではありません。悲しいことです」

 そして、日本の人々に呼び掛けました。

キム・エアリス氏
「日本の人々にはミャンマーの現状を変える政策を取るよう政府に働き掛けてほしい」

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