ウクライナ軍が破壊したロシアの戦車(6月2日、ハルキウ州) Jose HERNANDEZ Camera 51-Shutterstock

<ウクライナ国防省は「戦利品」の前で笑顔を見せる兵士たちの写真も公開した>

ウクライナ軍が先ごろ公開した動画に、「亀戦車」と呼ばれるロシア軍の戦車を乗員もろとも鹵獲し、運び去る様子が映っている。

【動画】ロシア兵が「お縄になる」決定的場面も...ウクライナ軍が「亀戦車」を乗員もろとも鹵獲するシーン

「亀戦車」というあだ名は、ロシアのエンジニアが、対戦車攻撃から守るために粗金属の装甲を戦車に取り付けたことに由来する。

ドローンで撮影された76秒の動画には、木々に囲まれた戦車とその中に立つ兵士が映っている。クローズアップ映像では、兵士の一人が後ろ手に縛られながら周囲を見回しているのが分かる。その後、戦車は逆走して舗装されていない道に戻り、走り去った。

別角度の空撮映像では、黄色と青のウクライナ国旗が戦車の上に掲げられているのが見える。投稿には場所や日付の詳細は記されておらず、本誌はロシア国防省にコメントを求めている。

亀戦車の鹵獲は初

ウクライナ国防省が公開した静止画では、兵士たちが戦車の砲塔の前でポーズをとって満面の笑みを浮かべており、後ろにはウクライナ国旗がはためいている。

この投稿には、「#UAarmyに加わった戦利品の『亀』戦車」と書かれている。「第22独立機械化旅団の兵士たちが、車体と砲塔を覆う金属屋根のついたロシア戦車を鹵獲した」

ウクライナ戦争について定期的に最新情報を提供している親ウクライナのX(旧ツイッター)ユーザー、ユルゲン・ナウディットは動画の一場面のスクリーンショットとともに次のように投稿した。「ウクライナ軍が初めて東方面でロシアの亀戦車を鹵獲し、乗員を捕らえた」

一方、ウクライナのアントン・ヘラシチェンコ内相顧問はこの動画をシェアし、「ウクライナの兵士たちがロシアの『亀戦車』を鹵獲した」様子が映っているとつづり、「素晴らしい!」と締めくくった。

ここ数カ月、ウクライナのソーシャルメディアユーザーたちは、開けた場所で慌てふためく亀戦車の動画を投稿し、その場しのぎの奇妙な装置をしばしば物笑いのタネにしていた。

4月には、追加装甲を施されたT-72戦車が、ドネツク州の集落クラスノホリフカ周辺の野原を動き回る動画がネット上で拡散され、あるユーザーはこれを「忍者亀戦車」と呼んだ。

ウクライナ国防省は17日、ロシア軍が前日に戦車2両を失い、この戦争でロシア軍が失った総数は7958両に達したと発表した。

静止画や動画を用いて兵器損失を確認する追跡サイト「Oryx(オリックス)」の集計数はウクライナ国防省の数字よりもはるかに小さいが、「破壊された兵器の数はここに記録されているものよりも大幅に多い」という但し書きが付けられている。

オリックスによれば6月17日現在、ロシアが失った戦車は3137両に上る。うち破壊されたものが2118両、損傷を受けたものが157両、放棄されたものが346両、鹵獲されたものが516両だという。

(翻訳:ガリレオ)

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