外交安保対話で握手を交わす韓国の金烘均外務第1次官(右)と中国の孫衛東外務次官=ソウルで2024年6月18日、ロイター

 中国と韓国は18日、ソウルで外務・国防当局高官による外交安保対話(2プラス2)を開催した。5月の中韓首脳会談での合意を受けたもので、次官級では初開催となった。ロシアのプーチン大統領が北朝鮮を訪れるタイミングと重なり、双方は朝鮮半島情勢について協議した。

 韓国から金烘均(キムホンギュン)外務第1次官と国防省の李承範(イスンボム)国際政策官、中国からは孫衛東(そんえいとう)外務次官と国防省の張保群(ちょうほぐん)国際軍事協力弁公室副主任が出席した。

 朝鮮半島では核・ミサイル開発を強化する北朝鮮に対して韓国の尹錫悦(ユンソンニョル)政権が強硬姿勢で臨み、緊張が高まりつつある。2プラス2で韓国側は、北朝鮮への影響力を維持する中国が情勢の安定に向けて役割を果たすよう要請したとみられる。中国はロシアとも関係が深く、プーチン氏の18、19日の訪朝や金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党総書記との会談が情勢に及ぼす影響についても議論した可能性がある。

 一方、中国としては今回の2プラス2によって米韓同盟など米国主導の対中包囲網にくさびを打つ思惑があるとみられる。

 中国外務省の報道官は17日、「両国関係をいかに改善し、協力を深めるかについて意見を交換することが重点となる」と前向きな意義を強調した。プーチン氏訪朝の日程と重なったことについては「早々に(2プラス2の)日程は決まっており、特に関係はない」と説明した。

 中韓は2013年と15年に局長級の2プラス2を開催したが、両国関係が悪化したため、途絶えていた。尹氏と中国の李強首相が5月に会談した際、これを次官級に格上げすることで合意していた。【ソウル福岡静哉、北京・河津啓介】

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