攻撃を受けたモロゾフスク空軍基地にも配備されているというSu-34(写真は2019年8月、モスクワ州ジューコフスキー) Andrey 69-Shutterstock
<ウクライナ軍が少なくとも70機のドローンでロシアのモロゾフスク空軍基地を集中攻撃。攻撃後の衛星画像に写っていたのは、大破した建物と滑走路。爆撃機の姿は...>
ウクライナのドローン攻撃を受けたとされるロシアの空軍基地の、攻撃前と後の状況が衛星画像によって明らかになった。
【写真で比較】崩れた屋根、えぐれた滑走路...同じ空軍基地を写した2枚の衛星画像が示すその「被害規模」
これはオープンソースの情報分析を行っているブラディ・アフリックがX(旧ツイッター)に投稿したもの。ロシア南部ロストフ州にあるモロゾフスク空軍基地を6月4日に撮影した画像では、建物の屋根も滑走路は無傷で、近くに複数の航空機が駐機している。
ところが14日の画像では、屋根は崩れ、滑走路も大きく破損している様子が見て取れる。周囲に航空機は見当たらない。
ウクライナ国防省のキリロ・ブダノフ情報総局長によれば、ウクライナ軍は13日から14日にかけての夜、少なくとも70機のドローンを使って同空軍基地を攻撃したという。ブダノフは軍事情報サイト「ウォーゾーン・プロジェクト」に対し、この作戦はウクライナ領内から、ウクライナのドローン「ドラゴン」と「スプラッシュ」を使用して行ったという。
ロシア国防省も、その夜にウクライナから大規模なドローン攻撃を受けたことを認めた。ただし防空部隊の迎撃により、計87機のドローンが破壊したとしている。本誌は両国の発表した数字について確認できていない。
春に続いてドローン攻撃は2度目
プラウダが引用したロシアの複数のテレグラム・チャンネルは、モロゾフスクの町の住人が爆発音を聞いたと伝えている。
モロゾフスク空軍基地には、戦闘爆撃機のSu-24やSu-24M、Su-34が配備されている。いずれもロシア製でコックピットは並列複座式、全天候型の超音速中距離爆撃機だ。
ウクライナ軍のドローンによるモロゾフスク空軍基地への攻撃はここ数カ月の間で2回目だ。4月4日から5日にかけての夜、この地域に「大規模な攻撃」があったことをロストフ州のヴァシリー・ゴルベフ知事は認めている。
知事はこの時、ロシアの防空ネットワークによって40を超える標的が撃墜されたと述べていた。また、モロゾフスクが再び攻撃される可能性を問われ、知事は「ある」と答えていた。
ウクライナ最高会議(議会)の議員で安全保障・国防・情報委員会の副委員長を務めるイェホル・チェルニエフは本誌に対し、ウクライナはこの夏のロシアによるハルキウ州での攻勢を、アメリカの武器を使って食い止めることができるとの見方を示した。
チェルニエフは「われわれはロシアの攻勢作戦を食い止めた。ロシアの非常に高性能で高価な防空システムの一部を、アメリカの武器で破壊もした」と述べた。チェルニエフはNATO加盟国国会議員会議(NATO-PA)のウクライナ代表団の団長も務めている。
一方で、ロシアによる侵攻が始まって以降、ウクライナはクリミア半島への攻撃も強めている。クリミア半島はロシアによって14年に一方的に併合されており、ウクライナはその奪還を目指している。
鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。