北朝鮮軍の監視所とみられる建物=韓国北西部・坡州から2023年10月8日午前、福岡静哉撮影
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 北朝鮮が韓国との軍事境界線の付近で、南北を仕切る「壁」の建設を進めている可能性がある。韓国主要メディアが15日、軍当局者の話として伝えた。北朝鮮の金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党総書記は、長年にわたる「朝鮮半島統一」の方針を放棄し、北朝鮮と韓国の「2国家」論を唱えており、壁により「反統一」強調を狙っている可能性もある。

 南北の軍事境界線は東西約250キロに及び、その北側と南側にはそれぞれ幅2キロの非武装地帯(DMZ)が設けられている。韓国軍は、軍事境界線から北に約1キロの地点で壁の建設とみられる作業をする兵士らの姿を確認した。

北朝鮮側の非武装地帯の様子。軍事用フェンスの周辺で働く人の姿が確認できる。韓国北西部・坡州から撮影=2024年6月4日、ロイター
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 大手紙・朝鮮日報は東部、中部、西部の全域で壁の建設作業が進められていると報じた。一方、聯合ニュースは「(冷戦時代に東西ドイツを分断した)ベルリンの壁を想起させる長い壁を造っているのか、一部の場所に警戒施設を建設しているのかは、さらなる分析が必要だ」と伝えている。

 9日にはシャベルなどを手にした北朝鮮軍の兵士10人以上が一時、軍事境界線を韓国側に越える事案が発生した。壁の建設作業と関係があるとみられている。【ソウル福岡静哉】

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