米国旗=米首都ワシントンで2023年11月14日午後、西田進一郎撮影

 米政府は12日、ウクライナへ侵攻するロシアに追加制裁を科すと発表した。ロシアへ重要物資を輸出する取引に関与した外国銀行を、米国などの金融ネットワークから締め出す従来の規制措置を強化する。これとは別に、中国企業を含む300以上の個人・団体を制裁対象に追加し、米国内にある資産を凍結する。

 米政府は2023年12月、兵器製造にも転用できる重要物資の対露輸出に関与する外国銀行に対し、その物資が、米国が取引を禁じるロシア国内の軍事企業などに渡らないか確認するよう要請。違反すれば、米銀などで構成する金融ネットワークから締め出す可能性を示している。

 追加制裁では、取引を禁じるロシア企業や個人の数を大幅に増やす。ロシアは中国の中小銀行などの決済を経て重要物資の調達を続けているとみられることから、今回の措置を通じて欧米による輸出規制の「抜け穴」を塞ぐ狙いがある。

 イエレン財務長官は声明で「ロシアは国際金融システムから孤立しており、外部へのアクセスを切望している。ロシアと取引する金融機関のリスクを高めることで、ロシアの重要物資の調達能力を低下させる」と述べた。

 主要7カ国(G7)も13~15日の首脳会議でこの措置を検討する。【ワシントン大久保渉】

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