台湾の中心大都市・台北市につながる川の河口に不審な小型船が侵入し、台湾当局は乗っていた中国籍の男を逮捕しました。

男は「自由を求めて来た」と話す一方で、かつて中国海軍に所属していたとも説明していて、台湾当局が背後関係を調べています。

台湾の沿岸警備を担当する「海巡署」によりますと、9日午前、台湾北部の新北市から11km余り沖合で不審な小型船を発見しました。

その後、小型船は台北市につながる川の河口に侵入し、別の船と接触事故を起こしたため、当局が乗っていた男を逮捕しました。

男は中国籍で、台湾メディアなどによりますと、SNSで反政府的な発信をしたことで中国からの出国を制限され、自由を求めて福建省から台湾に来たと話しているということです。

現場の河口付近は、台北市につながる防衛上の要所で、小型船が簡単に入り込めたことについて、海巡署は11日に開いた記者会見で、「戻ってきた台湾の船と間違った」と判断ミスがあったことを認め、関係者の責任を追及すると発表しました。

また逮捕された男は、自分のことを「元中国海軍の艦艇の艇長」と説明していて、台湾当局は、中国が武力攻撃とは判断しにくい方法で台湾に圧力を加える「グレーゾーン作戦」だった可能性もあるとみて、くわしく調べています。

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