イスラエルのガンツ前国防相は、イスラム組織ハマスとの戦闘において、ネタニヤフ首相の姿勢に反発し、「政権から離脱する」と発表した。

ガンツ氏は穏健派といわれているが、離脱したことでネタニヤフ首相がより強硬な手段に出る可能性もある。

そうした中、人質救出を巡って大きな動きがあった。

8日にはガザ地区の中心部で、イスラエル軍は大規模な救出作戦を行い、4人の人質を救出した。中でも大きな注目を集めているのは、ノア・アルガマニさん(26)という女性人質の救出。

2023年10月、音楽祭を襲撃したハマスに誘拐されたというノアさん。
恋人と引き離される映像が世界中に衝撃を与え、それ以来、今回の人質事件を象徴する存在だった。

救出されたノアさんたちが運び込まれた病院の周辺には、イスラエル市民が多く集まり、歓声が上がっていた。イスラエル全土に安堵(あんど)感が広がっている状況。

ノアさんは救出されたが、今回の作戦で多くのパレスチナ市民に犠牲が出た。

ガザ地区デイルアルバラは、避難民も多い地域で、土曜日の朝ということで、大勢の人でにぎわっていたところに攻撃があった。

ハマスの保健相は、ガザ地区の住民ら270人以上が死亡し、700人近くが負傷したとしている。

イスラエル政府は、人質がまだ120人いるとしていて、今回の軍事作戦の成功により、ネタニヤフ首相が今後、交渉ではなく軍事力による救出作戦に重点を置く可能性が出ていて、より多くの犠牲が出る可能性がある。

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