ガザでの対ハマス戦略をめぐりネタニヤフ首相と対立してきたイスラエルのガンツ前国防相が9日、戦時内閣からの離脱を表明しました。

これはイスラエル軍が9日、公開した映像。8日にガザ中部で、イスラム組織ハマスに捕えられていた人質4人を救出した際の様子だとしています。

動画には、人質がイスラエル軍の兵士に連れられて歩いている様子も…。4人は家族らとの再会を果たしたということです。

一方、ガザの地元当局によりますと、この救出作戦に伴い、イスラエル軍は難民キャンプへも攻撃を行い、少なくとも274人が死亡しました。

難民キャンプ付近の住民
「家に突然ロケット弾が着弾しました。私のいとこ2人が死に、もう2人も重傷です。何もせずただ家にいただけなのに」

ヌセイラット難民キャンプの住民
「私たちは何百万回も国際社会に訴えてきた。求めているのは援助ではなく停戦だ」

瓦礫の下には依然、多くの人が閉じ込められているということです。

こうしたなか、イスラエルではガザでのハマスとの戦闘をめぐる戦略でネタニヤフ首相と激しく対立してきたガンツ前国防相が9日、戦時内閣から離脱することを表明しました。

イスラエル ガンツ前国防相
「残念ながらネタニヤフ(首相)は、痛ましい戦争の代償を正当化できる『真の勝利』に向かって我々が前進するのを妨げている」

ガンツ氏は「離脱は複雑で痛みの伴う決断だ」としながらも、ネタニヤフ氏を改めて非難。「信頼される政府の樹立が必要だ」として総選挙の早期実施を求めました。

中道野党を率いるガンツ氏は国民からの支持も厚く、離脱はネタニヤフ政権への逆風となることは必至です。

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