世界文化遺産登録を目指す佐渡島の金山について、文化庁は6月6日、ユネスコの諮問機関・イコモスが追加の説明を求める「情報照会」を勧告したと発表しました。
政府は引き続き、7月のユネスコ世界遺産委員会での登録を目指し、対応するとしています。
佐渡島の金山は“相川鶴子金銀山”と“西三川砂金山”の2つの鉱山で構成され、機械化される前の江戸時代から手作業により質の高い金銀を世界有数の規模で産出したとされます。
政府は今年の世界文化遺産登録を目指しユネスコに推薦書を提出。その後、ユネスコの諮問機関・イコモスが現地調査を行っていました。
そして、6日夜…
【文化庁担当者】
「価値をより明確にすることや保護措置をより強化するための指摘等がなされ、情報照会という勧告になった」
文化庁はイコモスが追加の説明を求める「情報照会」を勧告したことを発表しました。
イコモスの勧告には4段階の区分があり、「情報照会」は「記載」に次ぐ上から2番目の評価にあたります。
文化庁によりますと、勧告は「手作業による採鉱と製錬技術を継承したアジアで他に例を見ない事例として世界遺産登録を考慮するに値する」と評価。
一方で、推薦時期である江戸期より後の資産が大部分を占める北沢地区を範囲から除外することや、資産を保護するために周辺の開発を規制する緩衝地帯を沖合いに広げ、景観を損なう洋上風力発電の建設を防ぐことなど3項目の対応を求めています。
この勧告をもとに、7月に開かれるユネスコ世界遺産委員会で正式に登録の可否が審議されることになりますが、政府は引き続き、7月の委員会での登録を目指し対応する考えです。
【盛山文科相】
「まだ宿題があるということ、情報照会ということでこれらの対応をしっかりしていきたい。委員会に理解をいただいて、記載の決議となることを目指して、これから努力していく」
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