第二次世界大戦の転換点となったノルマンディー上陸作戦から80年を記念する式典が行われます。欧米各国の首脳らが集まっています。
1944年6月6日。アメリカをはじめとする連合国軍が、ナチス・ドイツに占領されていたフランス・ノルマンディーの海岸に上陸しました。ドイツの侵略からヨーロッパを解放する転機となり、映画でも繰り返し描かれてきた“史上最大の作戦”です。
国際秩序が揺らぐいま、西側諸国は、この日に再び、意味を持たせようとしています。
アメリカ・バイデン大統領:「この欧州でもウクライナが暴君に侵略され、支配されようとしています。アメリカとNATO、そして、50カ国以上の国々が、ウクライナとともに力強く立ち上がっている。我々は決して退かない」
今から10年前、70周年の記念式典には、アメリカのオバマ大統領、そして、プーチン大統領の姿もありました。旧ソ連はナチスと戦火を交えた連合国の一角でした。この年、ロシアは、ウクライナのクリミア半島を一方的に併合したばかり。それでも、顔と顔を突き合わせた対話が行われていました。
ロシアがウクライナに全面侵攻した今、その影は最早なく、式典にロシアは招かれていません。
対ロシアをめぐっては、ここ最近、西側諸国の姿勢に変化が起きています。
アメリカ・ブリンケン国務長官(先月31日):「この数週間、ウクライナは、アメリカが供与した兵器を国境の向こう側にいるロシア軍にも使用できるよう求めていました。要請は大統領に伝えられ、その用途で供与した兵器を使用することを 大統領は認めました」
ロシア軍は、先月から再び、ウクライナ北東部ハルキウ州に侵入。集落を次々に掌握しました。
激しさを増す空と陸からの攻撃に、欧米の一部は、これまでの慎重姿勢を転換。ウクライナに供与した兵器を使って、ロシア領内に攻撃することを容認しました。
フランス・マクロン大統領(先月28日):「ミサイル発射地点への攻撃を認めずに、どうハルキウ州を守れとウクライナ側に説明するのか。『武器は供与するが自衛はするな』と言っているようなものです」
越境攻撃は始まっています。
ウクライナ軍は、『S300』ミサイルへの攻撃に成功したと発表しました。
CNNは、アメリカが供与したロケット砲システム『HIMARS』も、ロシア領内の防空システムなどへの攻撃に投入されたと伝えています。アメリカが攻撃を認めているのは、ハルキウ州に近いロシア領のみです。
プーチン大統領は、核による威嚇を続けています。
ロシア・プーチン大統領(5日):「我々には“核ドクトリン”がある。読んでみてください。主権と領土の保全が脅かされたときは、あらゆる手段が可能です。軽々しく考えてはいけません」
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