マクドナルドと商標を巡り争った「スーパーマック」の店舗=アイルランド東部のトリムで2024年6月5日、PA・AP

 アイルランドのハンバーガーチェーン「スーパーマック」が5日、看板メニューに「ビッグマック」を持つ米大手マクドナルドを相手取った長年の商標権争いに勝利した。

 英紙ガーディアンによると、スーパーマックが2015年、欧州進出を視野に欧州連合(EU)にレストラン名などとして「スーパーマック」の商標を届け出たのが発端。マクドナルドは「すでに商標登録済みのビッグマックに名前が似ており消費者が混乱する」と反対した。

 だが、スーパーマックも17年に欧州の知財当局に対してマクドナルドが持つビッグマックの独占商標権を取り消すよう求めて反撃に出た。欧州で「ビッグマック」という名の店を出したり、チキンを使った商品にビッグマックの名を付けたりした実績がないにもかかわらず、独占商標権を登録するのは、「競争相手への脅迫だ」と批判した。

 EU一般裁判所は5日、マクドナルドに対し、レストラン名やチキンを使った商品についてはビッグマックの商標権を取り消すことを決めた。これでスーパーマックは店名や幅広い商品に「スーパーマック」名を使うことができるようになった。

 スーパーマックは1978年創業。アイルランドで120店舗を展開する。AP通信によると、マネージングディレクターのパット・マクドナー氏は判決を「世界中の中小企業にとって重要な勝利だ」と歓迎した。

 ブルームバーグによると、チキン版のビッグマックは米英などでは取り扱いがある。牛肉を使ったビッグマックの商標はEUでも維持される。【ブリュッセル岡大介】

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