M2ブラッドレー歩兵戦闘車を使った米軍の訓練(2016年9月、リトアニア・パブラデ) Karolis Kavolelis-Shutterstock
<破壊された車両からは数人の兵士が次々に飛び出し、砲火にさらされながら地面に伏せようとする様子が確認できる>
米国がウクライナに供与したブラッドレー歩兵戦闘車1台が、ウクライナ東部で、ロシア軍の装甲兵員輸送車2台を「破壊した」場面を映した新しい動画が公開された。ウクライナ軍はその直前に、同国東部の前線で激しい戦闘があったことを明らかにしていた。
【動画】平原を進むロシアの装甲車2台が爆破される決定的瞬間
ウクライナ国防軍は2日、第47独立機械化旅団が運用しているブラッドレー歩兵戦闘車がロシア軍の装甲兵員輸送車2台を破壊したと述べた。公開された動画には、平原を進む2台の車両が攻撃を受けている様子が映っている。
少なくとも1回の爆発が生じたあと、破壊された車両から数人の兵士が我先にと逃げ出し、砲火にさらされながら地面に伏せようとしている。空中を飛行するドローンから撮影されたと思われる動画にはこのあと、炎に包まれる装甲兵員輸送車1台が映っている。
米国防総省によれば、ウクライナ軍に対してこれまで供与されたブラッドレー歩兵戦闘車は300台以上だ。ブラッドレー歩兵戦闘車は、25mmの機関砲、同軸の7.62mm機関銃、TOW対戦車ミサイル発射機を備えており、ロシア軍機甲部隊との戦闘に用いられている。
本誌はこの映像を独自に検証することはできず、ロシア国防省に電子メールでコメントを求めた。
激戦地で重宝
第47独立機械化旅団は別のソーシャルメディアへの投稿において、同旅団の偵察機がロシア軍を発見したため、開けた場所に移動するのを待ってから、ブラッドレー歩兵戦闘車に搭載されている25mmの機関砲(チェーンガン)で攻撃したと述べた。
今年1月、第47独立機械化旅団の司令官は本誌に対し、ロシア軍は「戦場でブラッドレー歩兵戦闘車に出くわすと」作戦開始に「おじけづく」と語っていた。西側の専門家らは、前線における最も激しい戦闘に加わってきたブラッドレー歩兵戦闘車について、非常に有益な装備だと評している。
第47独立機械化旅団は米国から供与された戦車「M1エイブラムス」も運用しており、こちらもかなり以前からドネツク州における激しい戦闘用に配備されている。先月にはロシア軍がウクライナ北東部のハルキウ州で新たに攻勢を強めたが、ウクライナ軍はドネツク州で最も激しい衝突があったと報告している。
ロシア国防省は2日、同国軍がドネツク州アウディーイウカの西、ポクロウシクの南東に位置する集落ウマンシケを制圧したと発表した。
ウクライナ軍は同日、ロシアが支配するアウディーイウカの北西で起きた衝突について「激戦」と述べ、同軍兵士が「状況の安定」に努めていると述べた。アウディーイウカはドネツク州の州都ドネツクに近い町だ。
ウクライナ軍によれば、ロシアが進軍を試みたのは、ウクライナ軍の拠点ポクロウシクの東に位置する2つの集落の周辺だ。1つはソキルという集落で、ウマンシケの真北に位置する。
ウクライナ軍参謀本部は、その後に発表した声明で、同軍はウマンシケ近郊でロシア軍の攻撃を「撃退」していると述べた。
(翻訳:ガリレオ)
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