連邦地裁に到着し、報道陣のカメラに囲まれるドジャースの大谷翔平選手の元通訳・水原一平被告=米サンタアナで2024年6月4日、AP

 米大リーグ・ドジャースの大谷翔平選手(29)の銀行口座から多額の金を不正送金したとして銀行詐欺などの罪に問われた元通訳の水原一平被告(39)が4日、西部カリフォルニア州サンタアナの連邦地裁に出廷し、有罪を認めた。量刑は10月25日に言い渡される。

 スポーツ専門チャンネルESPNによると、水原被告は法廷で「賭博で巨額の借金を背負ってしまった」と述べた上で「唯一思いついた方法が彼の金を使うことだった。借金(返済)のために彼の銀行口座から送金した」と大谷選手の金を勝手に送金したと認めた。

 量刑は最高で禁錮33年だが、すでに司法取引に応じており、減軽される見通し。司法省によると、水原被告は禁錮刑を受けた場合、刑期を終えた後に国外追放される可能性があるという。水原被告は退廷後、報道陣に取り囲まれたが、一言も発しなかった。

 検察側によると、水原被告は2018年に大谷選手が銀行口座を開設するのを手伝った際、口座のログイン情報を得た。その後、借金返済のため、勝手にログインして登録されていた電話番号とメールアドレスを変更し、自分に連絡が来るようにした。送金手続きを完了させるために必要な6桁のコードも受け取っていたという。

 水原被告は違法なブックメーカー(賭け屋)への借金返済のため、大谷選手の口座から約1659万ドル(約25億7410万円)を賭け屋側に送金したとされる。野球カードの購入に充てた金など、不正に得た総額は1697万ドル以上に上る。口座から得た金を税務申告しなかった罪にも問われた。

 水原被告は賭博問題の発覚を受けてドジャースを解雇され、4月11日に訴追された。司法省は5月8日、司法取引が成立したと発表し、起訴に類似した手続きを取っていた。水原被告は5月14日の訴追内容の認否では手続き上の理由で形式的に無罪を主張していた。【ニューヨーク中村聡也】

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