警察官を挟んで口論するトランプ前大統領の支持者の男性(右)と反トランプ派の男性=米ニューヨークで2024年5月30日、八田浩輔撮影

 トランプ前米大統領に対する有罪評決が下されたニューヨーク市の裁判所前の広場では、無罪を訴えるトランプ氏の支持者と評決を歓迎する人たちの間で小競り合いが起きた。

 「投獄せよ、投獄せよ」。有罪評決を受けて集まった小規模なグループは、トランプ氏が2016年の大統領選で対立候補だった民主党のヒラリー・クリントン元国務長官に対して繰り返したスローガンを何度も叫んで歓迎した。「有罪」と書かれたボードと米国旗を手にしたビル・クリステンソンさん(70)は「ついにこの日が来た。当然の結果だ。世界中の人が通りに出て踊り出すだろう」と笑顔を見せた。

 一方、トランプ支持者のシンボルである赤い野球帽をかぶったラウール・リザラさん(54)は「無実の人間に罪をなすりつけた。私たちは憎悪を見せつけられている」と怒りをぶちまけた。別の男性は「真のニューヨーカーではない(陪審員の)目によって有罪と決めつけられた。トランプ氏を支持する。再び私たちの大統領になるだろう」と述べた。

 裁判所前ではニューヨーク市警が暴動などに備え、鉄柵を張り巡らせて連日厳戒態勢をとった。評決が出るタイミングが不確実だったこともあり、この日は初公判時などと比べてトランプ氏の支持者の数は少なく、小競り合いこそあったが、大きな混乱は見られなかった。【ニューヨーク八田浩輔】

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