韓国軍合同参謀本部は27日、北朝鮮が同日夜に、西海(ソヘ)衛星発射場がある北西部・平安北道東倉里(ピョンアンプクドトンチャンリ)一帯から南の方角へ向けて「軍事偵察衛星」を発射したと明らかにした。ただ、韓国軍によると、北朝鮮側の海上で発射体の「多数の破片」を探知したといい、発射は失敗に終わった公算が大きい。

 北朝鮮は年内に計3基の軍事偵察衛星を打ち上げる方針を示しており、今回の発射は軍事偵察衛星を搭載したロケットの可能性がある。

 日本政府も27日夜、北朝鮮から弾道ミサイルの可能性があるものが発射されたと発表した。北朝鮮は27日未明、6月4日までに「人工衛星」を打ち上げると日本側に通告していた。

 27日にはソウルで日中韓首脳会談が開かれ、核・ミサイル開発を続ける北朝鮮問題を巡って「朝鮮半島の非核化、拉致問題についてそれぞれの立場を強調した」と共同宣言に明記していた。今回の発射には、日韓や中国をけん制する狙いがあるとみられる。

 北朝鮮は2023年11月、軍事偵察衛星の軌道投入に成功したと発表していた。【ソウル福岡静哉】

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